道路より高い土地のメリット・デメリット

道路より高い土地はなぜできる

 
丘陵地などを造成してつくった住宅地などは道路より高い土地ができる場合が多いです。
丘陵地を造成して住宅地を作る場合、できるだけ土の搬出入を少なくするためにひな壇状に造成することになります。
もともと傾斜している土地をひな壇状に道路と宅地に造成するとどうしても道路より高い土地ができてしまいます。
詳しくは下記の図をご覧ください。
  

道路より高い土地

道路より高い土地の評価

 
道路と同じ高さの土地は普通に家を建てることができます。
道路より高い土地の場合でもその高低差がわずかである場合は、それほど土地の評価には影響しません。
しかし、擁壁や外階段・造成工事が必要なほど高低差が大きい場合は擁壁や外階段・造成工事などに余分な費用が必要になります。
同じ地域にある場合でも、上記のような余分な費用がかかるので土地の評価は低くなります。
 

道路より高い土地のメリット

道路より高い土地には下記のようなメリットがあります。

プライバシーを保ちやすい

敷地が道路より高い位置にあるため、歩行者から敷地内を覗かれる心配がなく、プライバシーが保たれます。

眺望がいい

敷地が道路よりも高い位置にあるため、眺望がよい場合が多いです。
眺望に惹かれてあえて道路より高い土地を購入する方もいます。

水はけがいい・水害の心配が少ない

水は高いところから低いところに流れます。
道路より高い土地の場合は、排水経路をきちんと設計すれば雨が降っても道路下に埋設された雨水管に流れるように作ることができます。
そのため、水はけが良いと言えます。
大雨が降って道路が冠水した場合、道路と同じ高さにある土地は道路と一緒に冠水してしまうことになります。
道路より高い土地の場合、そのような心配をしなくてすみます。

日当たりが良い

これは敷地の状況によります。
南側が道路になっている場合は南側からの日が建物などに遮られることなく降り注ぎます。
南側に広い開口部を作ることで日当たりの良い家をつくることができます。

土地が安い

道路より高い土地はあとに述べるようなデメリットがありますので、その地域の相場よりも安い場合が多いです。

道路より高い土地のデメリット

道路より高い土地には下記のようなデメリットが考えられます
しかし、設計上の工夫で克服できる場合もあります。
 

擁壁・造成・外構工事に費用がかかる

道路より高い土地の場合は、普通に建てると擁壁・造成・外構工事などに多額の費用がかかることがあります。
しかし、できるだけ擁壁・造成・外構工事を減らすような建物を設計することで、費用を減らすことが可能です。
擁壁・造成・外構を含めて優秀な建築家に依頼することで安くて住みやすい家を建てることは可能です。
できれば、土地の購入前に建築家に相談してみることをおすすめします。
 

バリアフリー化しにくい

道路より高い土地の場合、普通に家を建ててしまうと道路から敷地に上がるための外階段が必要になります。
小さい子どものいる方や、高齢のご家族がいる方は住みにくくなってしまいます。
バリアフリー化するためには道路と同じレベルに玄関や車庫を設け、建物の中の階段やホームエレベーターを使って上階にあがるようにするなどの工夫が必要になります。
道路より高い土地にバリアフリーの家を建てたい方は、土地を購入する前に建築家に相談することをおすすめします。
 

道路斜線が厳しくなる

建築基準法では敷地が接する道路の幅によって建物の高さを制限しています。
これを道路斜線と呼んでいます。
道路斜線の基準点は道路中心の高さです。つまり道路より高い土地の場合は道路斜線が普通に比べて厳しくなります。
 
下記の左の図では仮に
・道路幅員は4m
・第一種低層住居専用地域
・道路と敷地が同じ高さ
の場合の道路斜線について描いています。
道路車線の制限によって道路境界線の位置で5mの高さ以上の建物は建てることができません。
 
下記の右の図では仮に
・道路幅員は4m
・第一種低層住居専用地域
・道路より敷地が3m高い
場合を想定しています。
 
道路と敷地に高低差がある場合の道路斜線については建築基準法施行令の第135条の2で下記のように定められています。
 
「建築物の敷地の地盤面が前面道路より一メートル以上高い場合においては、その前面道路は、敷地の地盤面と前面道路との高低差から一メートルを減じたものの二分の一だけ高い位置にあるものとみなす」
 
条文を読むとわかりにくいですが、図のように実際の道路より1m高い位置に道路があるものと考えて道路斜線を計算することができます。
 
すると、右の図では道路境界線の位置で3m以上の高い建物は建てることができないことになります。
 
実際にはその他のセットバックや天空率などの緩和規定を利用して建物の高さを決定する必要がありますが、いずれにしても道路より高い位置は高さ制限が厳しくなります。
 

道路より高い土地の道路斜線

盛り土の場合は地耐力が弱い場合もある

土地を高くするために敷地外から運んできた土を盛ることを盛り土といいます。
盛り土の部分は地耐力が低く、時間の経過によって地盤沈下する可能性があります。
道路より高い土地の場合、敷地内の一部・または全部が盛り土になっている場合があります。
購入する前には地盤調査をして地盤改良などが必要な場合はその費用も事前に見積もっておく必要があります。
 

既存の擁壁には注意が必要

すでに既存の擁壁がある場合は注意が必要です。
宅地造成規制法などの許可を受けて作られた新しい擁壁の場合は特に問題になりません。
古くて特に許可などを得ないで作られた擁壁の場合は、法律上は擁壁とみなされず、崖とみなされてしまう場合があります。
そうなった場合、崖条例などの規制を受けることができます。
既存の擁壁がある場合は事前に建築家に調査してもらってから購入することをおすすめします。

道路より高い土地の駐車場

道路より高い土地に駐車場を作るためには
・道路の高さに合わせた位置まで土地を削る
・土地を掘り込んで車庫を作る
・道路と同じ高さにビルトインガレージを作る
などの工事が必要になります。
どちらにしてもかなりの工事費が必要になります。

道路より高い土地の外構

道路と同じ高さの土地に比べて道路より高い土地の外構は費用が高くなります。
擁壁・外階段・上記のような駐車場などが必要になるためです。
外構工事というより土木工事・造成工事が必要になる場合もあります。

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