段差を利用したアプローチの家

段差地について

 
敷地内に段差がある場合、玄関までどのようにアプローチするか困ることがあります。
 
段差をアプローチに利用した事例としてKATSU建築スタヂオ 田中 克則さんの設計した「中と外がつながる家」を紹介します。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー KATSU建築スタヂオ 田中 克則 の写真
桑名市星見ケ丘8丁目206-2
0594-32-8708

 

中と外がつながる家

 

 
 

段差地はデメリットばかりではない

 
今回のお客様の敷地は西側が道路で、東面が山、北と南面には別の家が囲まれており、北から南に向けて勾配がある土地でした。
 
駐車場と住宅の間には2.7mの段差があります。
「段差地では擁壁など余分な工事が必要になるため、費用が高額になる」
 
段差地にはこうしたデメリットがあるため、敬遠されてしまいがちです。
 
段差地である場合、スロープを作るのが難しくいわゆる「バリアフリー」に適合した住宅が難しい。
 
「標高が高い土地で見晴らしがよく、木々の美しさや眺望のよさに惹かれた」
それがT様が今回の土地を購入するに至った決め手でした。
 
「必ずしも段差地がデメリットであるとは限らない」
「間取りを工夫し、余分な費用を抑えることができれば、擁壁を作らず、コストを抑えられれば、ハウスメーカーやパワービルダーとそう変わらない金額で建築家がデザインした家を建てられる」
そう建築家の田中さんはそう言います。
 

ガレージの上を住宅にすることで屋根付きのガレージを実現

 
「屋根付きのガレージは費用がかかって難しい」
こう考える人は少なくありません。
T様邸では2.7mもの段差がある土地ことを逆手に取り、ガレージの上を住宅にすることで屋根付きのガレージを実現させました。
 
このように設計をすることで擁壁を使うことなく、擁壁にかかる費用を抑えられるのがポイント。ガレージ上の住宅の南面に開口部を設けることで、窓から桑名の町並みを一望できる眺望のよさを実現させました。
さらに土地のスペースを有効活用できるため、設計に余裕を持たせられます。
 

断面図

↑断面図
 

地形をいじらず自然の地形を生かす

 
段差地で住宅を建てる場合、多くの住宅では擁壁を作り、階段を作ることが一般的です。
「でも人的構造物は作らないようにしたい」
そう田中さんは言います。
 
擁壁やブロックなどの人的構造物を作ると圧迫感が生まれ、無機質な印象を与えてしまいます。
 
今回、田中さんは段差地だからと擁壁を作らず、土地の形状をできる限り生かしなだらかなアプローチを取り入れました。
 
こうすることで擁壁のデメリットを解消し、四季折々の自然が楽しめるように。
工事の際にも処分する土も最小限に済ませることができるため、コストダウンにも繋がっています。
 

配置図

↑配置図
 

日当たりとプライバシーの両面に配慮

 
「日当たりのよさを設計するときには常に意識しています」
田中さんの設計には光に対する細やかな配慮がたくさん詰められています。
南側をほぼ全てサッシにすると同時に、隣家との距離をとることで南側の光をたっぷりと取り入れました。
 
・屋根の勾配の向き
・屋根の高さ
・窓の位置や高さ
 
リビング以外の部屋のほぼ全ての部屋に対して、暗くなりすぎないないように気を配っています。
 
「光は取り入れたいけれど、中が見られないか心配」
という人も少なくありません。
 
ですが田中さんの設計は光を取り入れるための工夫だけではなく、プライバシーの観点にも配慮しています。
隣の家の窓の位置にも気を配りながら、隣の家から見えてしまいそうなところには木を植えて見えにくくしました。
 
その住宅や近隣の状況によって変わる日当たりやプライバシー。
これらの点を現場ごとに一つ一つ検証し、お客様に説明するように田中さんは心がけています。
 

 

3.5畳分もない必要最低限の廊下

 
今回の設計のように縦長に使う家の場合、廊下が長くなってしまいがちというデメリットがあります。
廊下が長くなってしまうと、部屋全体に十分な広さを確保できなくなってしまいがち。
T様の家では動線を工夫し、廊下を1、2階合わせて3.5畳程度まで抑える間取りを実現させました。
 
和室とつながる廊下部分もサッシを取り付け広縁として楽しめる空間を演出しています。
 
T様邸には2人のお子様がいますが子ども部屋を設けていません。
その代わりにフリースペースとして緩やかに区切り、ウォークインクローゼットも出入り口を2箇所設けました。
こうすることで子どもの成長に合わせて間仕切りを作ることで柔軟に対応できます。
 

3階建にならないよう避ける

 
3階建の場合、2階建の住宅と比べて構造計算が複雑になり、仕様が変わってしまうため、建築費用が大幅に増大してしまいます。
T様邸に限らず、田中さんは3階建にならないように設計上配慮しています。
 
T様邸は一見すると、車庫部分の1階、と住宅部分の2、3階になっているように見えますが、設計上は2階建として扱われます。
そのポイントは断面図です。
 
ガレージ部分は建築法上は1階部分と扱われるため、その上に住宅を作っていますが、そのもう一つ上の層には何も作らないようにして3階建として扱われないようにしました。
 
建築法上2階建にするためにはこれ以外にも細かい制約がありますが、そうした点もカバーし建築費用を少しでも抑えるように配慮しています。
 

段差地だからこその暮らしを楽しむ

 
擁壁を作る費用などから段差地は避けた方がよいと思われがちですが、その土地だからこそのメリットも。
今回のT様邸は高低差があり高台に位置するため景色がよい、土地の斜面の形状をうまく生かして自然な景観を作れるというメリットがありました。
さらに段差地は人気がないことが多く、土地自体の費用は安く、値段交渉もしやすくなります。
 
「段差地はデメリットがあると思われがちですが、その土地の形状を生かすことで暮らしを楽しんでほしい」そんな思いで田中さんは設計をしたとのことでした。
 

 

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