住宅|建築家の設計事例

家族と猫のための平屋住宅です。

2方向道路と隣地通路で3方向を囲われた敷地は、通常の間取りではプライバシーを確保することが難しく、プランニングでかなり苦労しました。

2階バルコニーは、完全に囲われたプライベートな空間になっています。

クライアントであるご夫妻はともに音楽家です。ご主人は作曲などを手掛け、奥様はピアニストです。
音楽活動をする部屋は地階に配置し、コンクリート造としました。演奏中に大きな音量を出しても周辺に影響が少ないよう考慮しました。

1宅地を3区画に切った土地で、プライバシーを確保できることが重要な条件でした。隣接する住宅の窓等を考慮し、間取りをプランしました。
リビング階段、スタディコーナー、畳コーナー等要望は明確でした。

細かく間仕切られ、経年劣化により狭くて暗い印象の中古マンション。
そこを「人が笑顔で集える家にリノベーションしたい」というのが夫婦のコンセプトでした。
本件では、プライベートスペースをコンパクトに抑えることにより専有面積の約半分をリビング空間に変更。

建物の庇状になっているバルコニーの下は雨が直接降らないので植物が育ちづらい場所です。そうした建物に沿った場所に池を設けました。防犯の役に立ちまた、スイレンを浮かべ、金魚が住む小さなビオトープになりました。太陽の光が水面に反射して室内の奥まで達します。

のどかな風景になじむ片流れの平屋の住まいです。内部はリビングを半層あげてスキップフロアとし、床材はナラ無垢材、天井は杉無垢板、壁は漆喰塗りになっています。

コストを抑えるため、施主とアウトレットの建材を買いに行き、在庫処分の木製建具等を購入。その建具の寸法に合わせて基本設計を修正するなどしました。施工は地元の大工や設備業者への完全分離発注で、設計者が現場の監理と管理を同時に行いました。施主も木部塗装や珪藻土塗りをお手伝い。

空間デザインにあたっては、シンプルな幾何学的構成を基本として、建物全体が彫刻的な美しい空間となるように演出され、シャープさと素材感の特徴を最大限に生かすことを意識し、シンプルであるが厳密に計算されたプロポーションからなる審美的な世界を演出しています。

 建築地は北福貴の高台に位置し、南には灰田川の谷を見下ろす要地にある。付近には重要文化財の住宅建築もあり優れた景観を得られるロケーションである。

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