渡辺篤史の建もの探訪ー外はシック 中はカラフルな家(飯塚豊・ i+i設計事務所)

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感想: 

今年はじめての秋刀魚。
あんまりピカピカ奇麗だったので早速購入。
真っ白なおなかに鮮やかな青と銀色!
海と光の色なのだなあ、と、それはそれはしみじみと海に思いをはせた。
美しい秋刀魚は、なによりおいしい。
 
            ◇ ◇ ◇
 
さて、今回の建ものは「外はシック 中はカラフルな家」。
http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/backnumber/#!/2014/27
この建ものは、この家族の核。
ここで暮らせば、毎日しっかりチャージされた自分で元気に「いってきます!」を言える。
 
            ◇ ◇ ◇
 
人が集まるお家、お家の団欒がテーマの家、オフィスや教室を兼ね備えた家、、、。
家族にとって家はどんな存在のものか、それは本当に十人十色。
私は毎回、そのことをとても面白く感じながら番組をみている。
そんな中でこの建ものは、本当に家族のためのもの、という感じがした。
 
建主のご家族は、小中学生のお子さん二人とデザイナーのご主人、
そして教員をされているというテキパキとそれでいて親しみやすい雰囲気の奥様の4人家族。
それぞれが、仕事で学校で、溌剌と過ごされている様子が想像できる。
このお家では、家族団欒はもちろんのこと、家族それぞれが自分のやるべきことを
限られた自分の空間と時間の中で気持ちよくして、
そして健やかな状態で毎日出かけていける家なのだと思った。
それは、10年をこの土地で過ごされ、そして子育ても始まったばかりではもうない、
そんな時期に計画された家だからこそ。
この土地での生活、家族の歴史がちゃんと生きていると思う。
 
キッチンと仕事スペースは、奥様が、 ほんっとうに使いやすいの、と、絶賛される出来映え。
奥様は、家事と仕事をうまく回すために家の中でどう動きたいか、
明確にイメージされていたのだと思う。
自分の台所仕事には、どんなキッチンが自分の動きに沿うのか、
具体的な場面を思い浮かべることができていたのだと思う。
 
居間スペースは、家の前の小径や遠景の山々など家族が愛する景色を
ほっと一息つきながら見渡せる位置にソファーがあり、そして窓が開いている。
ご家族は、この土地の「好き」、気持ちのよい風をちゃんと10年でとらえていたのだ。
 
子供部屋は、ベッドと机、書棚がお船か列車の一室のようにぴっちりと収められたスペース。
なんでもかんでも「自分の部屋」に閉じこもってする必要はない。
よく学べよ、子供達。
集中せよ、自分に。
そして伸びやかに過ごせよ、家族のもとで。
といったところだろうか。
もう、自立し始めた子供達。
その子供達にこういう形で個室を準備したこと、私はとっても好きだ。
 
主寝室は、時には音楽室になる。
この家族にとって音楽は、大切に温めるように楽しむものなのだ。
もちろん、「音楽スーペースはもう一室別に設けたいところだが、、、」とか、
「ピアノも居間に置ければ万歳なのだが、、」という思いもあったかもしれない。
それでも、プライベートな空間の一角に設けられたこのスペースは、
この家族にとってとても大切なものなのだと思う。
そういう音楽との付き合い方が素敵だなと思った。
 
           ◇ ◇ ◇
 
さて、この建もの特徴は「色」。
タイトル通り、建ものの内側には大胆な色が選ばれていた。
それでも大胆にしてとても落ち着いた色合いと心地よい配色は、
とても自然に目と心に馴染んだ。
カラフルだったかしら?と思い返すほどに。
色って、とても不思議なものだ。