長坂の浮輪

●設計事例の所在地: 
石川県金沢市
●面積(坪): 
45
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

丘庭をぐるっと囲むロの字型のプラン

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

『いかに明るくおおらかな庭と住まいをつくるか』
敷地は350年前ほど前に開村した閑静な住宅地。はす向かいには神社があり、前面を小さな用水が流れています。車の無い時代のまちの構造がそのままのスケールで残っており、親しみのある雰囲気が漂います。
ここに明るく大きな庭をもつ住宅が求められましたが、敷地周囲には家々が近接していて、単純にオープンにするわけにはいきません。プライバシーを求めて中庭型にしても、そこへの日当たりは望めません。そこでロの字形の住居部分を高く持ち上げ、中庭には盛土をして螺旋状のアプローチをつくりました。

『まちとの距離感と、庭に開いた暮らし』
この立体的な構成によって、視線や音がコントロールされ、庭の緑が通りにも届き、家とまちとがちょうど良い距離感で繋がってくれます。持ち上げられた住居内部は、建具のみで仕切られた一続きの空間。ぐるりと庭に大きく開き、緑、空、風、土、虫や鳥たちのふるまいが暮らしと溶け合います。天候や季節の移ろいが、その鮮やかさのまま内部空間を彩る暮らしです。
住まいを庭やまちに近づけるため、1階の高さを可能な限り抑えました(アプローチ空間の最も低いところで天井高1.9m)。また、空を大きく望めるよう、屋根頂部は隣家からの視線をカットできるギリギリの高さとしました。内装・外装は敢えてラフな素材を用いています。そうすることで、外観では新旧混濁した風景に馴染ませつつ、内部では暮らしの雑多さをおおらかにまとめる包容力を持たせています。

依頼者の声: 

ここに暮らし始めて4年になりますが、常に外との繋がりを感じられワクワクする毎日が続いています。
主に過ごすLDKは全面開口で庭と繋がっています。カーテンも要らないので、夏の空の色、夕暮れの色、春先の新緑の色、冬の柔らかい空の色など、季節や時間によって刻々と変わる外の風景がそのままインテリアになっている感覚です。これは壁紙の色や家具でコーディネートするのとはまた違う、もっと本質的で豊かな美しさだと思います。

蝶が飛ぶ季節になった、日が長くなってきた、冬の匂いがする、雲の切れ間から光が差す、風が気持ち良い、といった自然の瑞々しさを普段の生活の中で意識せずとも感じられる、その幸せを日々噛み締めています。

我が家の庭は、綿密に作り込んだ繊細さよりも、暮らしとつながる自然さを目指しました。生きた庭というのでしょうか。ジューンベリーでジャムを作り、山椒の葉を摘み、捕まえた昆虫を育てる。リビングの窓からモミジの枝を切り、瓶に活ける。もちろん庭がある以上、手はかかりますが、それも暮らしの豊かさだと感じながら楽しんでいます。

その他の画像: 

設計者

ユーザー てらさき建築設計 寺崎悠真 の写真
オンライン
Last seen: 10分 34秒 前
登録日: 2026-07-24 05:21

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