極限まで薄い屋根

ユーザー 株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘 の写真

工場リニューアル時に設計したエントランス庇です。
厚さわずか7センチの薄さです。カテナリー曲線(懸垂曲線)というロープを重力で緩めた時に得られる曲線によって下に膨らんだ形状をしています。重力に素直ですので大変安定しています。
薄さの秘密はダンボールの断面のように2枚の薄い板の間にギザギザの板を挟み込むことによって強度を得る「ハニカム構造」という特殊な構造で実現しています。
この時思いました。「住宅でやりたいなー」と。この構造で作られた薄いが強靭だが柱のない空間はきっと素晴らしいだろうと。森の中では緑と一体化し、海に開けていれば大地と呼応するでしょう。

屋根が懸垂曲であることは日本の気候にも適したものです。敷地は富山の降雪地帯ですので、雪の重みに耐え、勾配屋根なので雨の排水もスムーズです(曲線がわずかに傾けられており、一箇所に雨水が集まるようにしています。)

どなたか住宅で是非実現させてください。