食品擬装ならぬ建築材料擬装にも注意!

ユーザー 原田正史建築設計事務所 原田正史 の写真

今やあちこちのホテルレストランや百貨店で問題になっている食品擬装。

日常的に行われていたようではありますが、我々消費者にとっては、買おうとした目的の物が中身の違うものだと分かると、その価格では買わないどころか憤慨して、もうそこは利用しなくなるでしょうね。

でも気を付けなければいけないのは、食品だけではありません。

この建築業界でも設計者は指定している材料が、実際に現場でその材料が使われているかしっかりと監理しなければなりません。

通常の監理の配筋検査や製品検査以外にも、仕上表で指定している材料・商品がその通り入っているかどうかをしっかりとチェックしなければなりません。

しかし厳密にチェックすると、はて?これは?というのも実際にあります。

特に木材などはそうですね。
木曽ヒノキや吉野杉とかの産地銘木などは、過去実際に擬装が行われていた実態があります。いまは完全になくなっているかどうかまではチェックはできていませんが・・・。
過去の擬装は、例えば木曽ヒノキを運んで行った先で、空のトラックにその産地の木材を積み込んで、木曽ヒノキ産地に持ち帰り木曽ヒノキとしてスタンプ出荷するというもの。

当事者しか知り得ない擬装。代理店などを通すともう分からなくなります。
自分の目が見極めることができるかどうかにかかってきます。

また擬装ではなく、似ている商品でもその名前が付いているもの。

たとえば桜、カバ桜、バーチ
似て非なるものを、デザイナーとしてどこまで区別してデザインするか。

桜  ・・・ バラ科サクラ亜科サクラ属
蒲桜 ・・・ バラ科サクラ属 エドヒガンザクラとヤマザクラの自然交配
樺桜 ・・・ カバノキ科
バーチ ・・・ カバノキ科シラカンバ属

厳密に言うと表情や色が多少違う。どこまでデザイナーとしてこだわるか。

ただ材木屋・代理店等々にて、しっかりと区別してくれるところでないと、図面にサクラと書いてあっても樺桜がはいってくる可能性もあります。
代理店にとっては、同じ材料として扱っているところが多いかもしれませんが、デザイナーとしてはしっかりと区別しないといけない時もあります。

材木の好きなお施主様で、桜にこだわっている方がいるとすると、樺桜になったときはそれは擬装と同じことなので、しっかりと監理していかなければなりません。

皆さんお互い情報交換しあって注意していきましょう!