福岡市博多区の病院火災について

ユーザー 建築家紹介センター 仲里 実 の写真

2013年10月11日に博多区の安部整形外科で火災が発生し、10人の方がなくなりました。 
なくなった方には謹んでご冥福をお祈りいたします。 
 
■確認申請未提出 
 
テレビなどのニュースによると増築の際に確認申請を行っていなかったそうです。 
増築の場合でも確認申請は行う必要があります 
確認申請を出すと既存部分も現行の法律に適合させる必要があります。 
増築で確認申請が不要な場合もありますが、今回は該当していません。 
 
ちなみに確認申請が不要な場合とは、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、増築部分の床面積の合計が十平方メートル以内の場合です。 
 
■竪穴区画とは 
 
3階以上の階を病院として使用する場合、耐火建築物にする必要があります。 
耐火建築物の階段は竪穴区画といってほかの部分と防火扉などで区画する必要があります。 
階段部分は火災の際に上階への延焼の原因となったり、煙突効果で煙を上階に導くおそれが高いからです。 
 
■防火扉が閉まらなかった 
 
今回の火災では階段の防火扉が閉まらなかったようです。 
 
過去の火災で防火扉が閉まらなかった原因として、防火扉の前に物が置かれていたというのがよくありますが、今回はそれが原因ではないようです。 
 
防火扉には熱感知式と煙感知式があります。 
以前はどちらも使われていましたが、現在は煙感知式しか使われていないそうです。 
 
増築の際に確認申請を出すと既存部分も現行の法律に適合させる必要があります。確認申請を出していれば防火扉を煙感知式に改修する指導があった可能性が高いです。 
 
そうなると費用はかかったかもしれませんが、今回のような多くの死傷者を出す事態は避けられたかもしれません。 
 
 
■法令は遵守しましょう 
 
一般住宅の場合でも増築の際に確認申請を出さないとか、確認申請を出しても完了届を出さないといった事例を聞くことがあります。 
 
私も相談を受けたことがありますが、 
工務店の人に 
「完了届なんか出していないほうが多いですよ」 
みたいなことを言われると一般のかたは 
「そんなものなのかな・・・」 
と思ってしまうそうです 
 
法令は遵守することをオススメします。 
 
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