「開放的な家にしたいんです。」

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「開放的な家にしたいんです。」

家づくりのご相談で、よく伺うご希望の一つです。

 

広いリビング。

 

大きな窓。

 

吹き抜けのある空間。

 

できるだけ壁や扉を少なくして、

家全体がつながっている。

 

「そんな家が気持ちよさそうで。」

とおっしゃる方もいらっしゃいます。

 

でも私は、

「では、リビングを広くして吹き抜けをつくりましょう。」

とは、すぐにはお答えしないことが多いんです。

 

まず、

「どんなときに、開放的だと感じますか?」

と、お聞きしてみます。

 

開放感というと、

どうしても「広さ」を想像しやすいですよね。

 

20畳より25畳。

 

天井は低いより高い方がいい。

 

窓も、小さいより大きい方がいい。

 

もちろん、

実際の広さが開放感につながることもあります。

 

でも、お話を伺っていると、

必ずしも面積だけではないことがあります。

 

例えば、

それほど広くない部屋でも、

窓の向こうに庭が続いていると、

広く感じることがあります。

 

廊下の先に窓があって、

視線が遠くまで抜けている。

 

天井の一部だけが高くなっている。

 

隣の部屋が少し見えている。

 

そんなことでも、

人は広がりを感じることがあります。

 

「広い」と「広く感じる」は、少し違うんですよね。

 

以前、ご相談いただいたご夫婦も、

「できるだけ開放的なリビングにしたいです。」

とおっしゃっていました。

 

そこで、

「今まで行った場所で、開放的だと感じたところはありますか?」

とお聞きしてみました。

 

すると奥様が、

以前泊まったホテルのラウンジのお話をしてくださいました。

 

「ものすごく広かったんですか?」

と伺うと、

「いえ、そこまでではなかったと思います。」

とのこと。

 

では、何が印象に残っていたのか。

 

もう少し聞いてみると、

大きな窓の向こうに庭が見えていて、

室内から外まで空間が続いているように感じたそうです。

 

さらに、

ソファに座ったときに、

人の視線が気にならなかったことも覚えていらっしゃいました。

 

そこで、

「もしかすると、広いことよりも、視線が遠くまで抜ける感じがお好きなのかもしれませんね。」

とお話しすると、

「そうかもしれません。」

と。

 

求めていたのは、

大きなリビングそのものではなく、

視線が閉じ込められない感覚だったのかもしれません。

 

開放感には、

いろいろなつくり方があります。

 

面積を広くする。

 

視線を庭まで伸ばす。

 

窓から空を見せる。

 

天井の高さに変化をつける。

 

光を部屋の奥まで届ける。

 

隣の空間の気配を少し感じられるようにする。

 

どれも、

開放感につながる可能性があります。

 

反対に、

広いリビングをつくっても、

外からの視線が気になってカーテンを閉めていたら、

思っていた開放感とは違ってしまうかもしれません。

 

それに、

開放的であることだけが、

いつも心地いいとも限りません。

 

家族と過ごす場所は広くしたいけれど、

一人で本を読む場所は少し囲まれていた方が落ち着く。

 

昼間は庭まで視線が抜けてほしいけれど、

夜は外から見られず安心して過ごしたい。

 

そんな感覚もあります。

 

家の中に、

開いた場所と少し閉じた場所があるからこそ、

開放感を強く感じることもあるように思います。

 

ですから、

「開放的な家にしたいんです。」

と聞いたとき、

私はまず、

何が開いていると、心地いいと感じるのか。

そこを一緒にほどいてみたいと思っています。

 

空間の広さなのか。

 

視線の抜けなのか。

 

光なのか。

 

庭とのつながりなのか。

 

あるいは、

家族の気配を感じられることなのかもしれません。

 

そこが分かってくると、

単純に面積を大きくしなくても、

そのご家族らしい開放感をつくれることがあります。

 

開放的な家を考えることは、

ただ壁を減らし、空間を広くすることではありません。

 

自分たちにとって、何から解放されると心地いいのか。

私は、そんな感覚までお聞きしながら、そのご家族に合った「開放的な家」を一緒に考えていけたらと思っています。