間取りの話より、先に聞きたいことがあります。

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

家づくりのご相談に来られた方から、

「今日は間取りの相談をしたいんです。」

と言われることがあります。

 

もちろん、間取りは家づくりの中心です。

どんな部屋が必要なのか。

どれくらいの広さがいいのか。

生活動線はどうするのか。

考えることはたくさんあります。

 

でも私は、

その日に図面を描き始めることは、ほとんどありません。

 

まず、お聞きしたいことがあります。

 

休日は、どんなふうに過ごされていますか。

家では、どこで一番落ち着きますか。

朝はゆっくり過ごされることが多いですか。

それとも、慌ただしく一日が始まりますか。

 

お子さんは、どこで遊ぶことが多いでしょうか。

ご夫婦で一緒に過ごす時間は、どれくらいありますか。

今のお住まいで、「好きだな」と思う場所はありますか。

 

一見すると、

間取りとは関係のない質問ばかりです。

 

でも私は、

ここから設計が始まると思っています。

 

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以前、ご相談いただいたご夫婦がいらっしゃいました。

 

ご主人は、

「広いリビングが欲しいです。」

と話されていました。

 

奥様は、

「収納をたくさんつくりたいです。」

とおっしゃっていました。

 

どちらも、

とても自然なご要望です。

 

ところが、お話を続けていくうちに、

ご主人は、お子さんと床に座って遊ぶ時間を何より楽しみにされていて、

奥様は、収納の量よりも、

家の中がいつも落ち着いて見えることを大切にされていることが分かってきました。

 

すると、

広いリビングが必要なのではなく、

家族が自然と集まりたくなる場所が必要なのだと見えてきました。

 

収納も、

たくさんあれば安心なのではなく、

無理なく片付き、

心地よく暮らせることの方が大切だったのです。

 

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図面を見ると、

部屋や廊下、収納など、

たくさんの線が描かれています。

 

でも私は、

その線の一本一本よりも、

その家で、どんな毎日が過ごされるのかを想像しています。

 

図面は、

暮らしを形にした結果だからです。

 

だから私は、

間取りだけを先に考えることはありません。

 

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家づくりでは、

「どんな家を建てたいですか。」

という質問よりも、

 

「どんな毎日を過ごしたいですか。」

 

というお話の方が、

ずっと大切なことがあります。

 

そのご家族らしい暮らしが少し見えてきたとき、

私は、ようやく図面を描き始めます。