間取りの前に整える「収納設計」|隠す収納と見せる収納で叶える、和モダン×ホテルライクな上質な暮らし

間取りの前に整えるべき
「暮らしの思想」に寄り添う「収納設計」。
隠す収納と見せる収納から考える、
暮らしの質を高める住まいづくりの要素。
住まいづくりを考えるとき、
多くの方が「間取り」や「デザイン」に
意識を向けます。
しかし、
実際の暮らしの質を左右するのは、
目に見えるデザインではなく、
日常の整い方です。
その中でも特に重要なのが、
収納計画という「暮らしの設計」。
・なぜ片付かないのか
・なぜ生活感が出てしまうのか
・なぜ空間が美しく保てないのか
その原因の多くは、
単純な「収納量不足」ではなく、
収納の考え方そのものにあります。
隠す収納と見せる収納、
その本質・・・・・。
造作収納を考える際、
必ず出てくるテーマが
「隠す収納」と「見せる収納」です。
隠す収納
扉を設け、生活感を遮断する設計
見せる収納
オープンにし、空間の一部として魅せる設計
どちらが正しいかということではありません。
重要なのは、
暮らしの価値観や空間要素に対して、
どのような収納を考えるべきなのかです。
隠す収納の魅力と、本当の役割。
隠す収納の本質は、
単なる「目隠し」ではありません。
隠す事で空間のノイズを取り除き、
思考と感情を整える仕組み。
隠す収納のメリット
・生活感を抑え、空間に静けさをもたらす
・来客時でも瞬時に整った印象をつくれる
・物量が多くても、空間はシンプルに保てる
・整理が苦手でも“整って見える”環境をつくれる
・地震時の安全性が高まる
つまり、隠す収納は
「片付けるだけのもの」ではなく、
暮らしを整えて見せるための手法。
しかし、
隠す収納にも落とし穴があり、
注意すべき点もあります。
隠す収納のデメリット
・造作コストが高くなる
・扉分のスペースが必要になる
・動線設計を誤ると使いにくくなる
・「とりあえず隠す」が習慣化し、内部が乱れる
特に重要なのは、
「隠す=解決」ではないということ。
収納の本質は、
隠すことではなく、
取り出しやすく、戻しやすいことにあります。
なぜ収納量を増やしても片付かないのか?
ここが、
多くの方が誤解している
ポイントです。
収納スペースを増やせば、
暮らしは整うのでしょうか?
答えは、NOです。
なぜなら、収納とは
単なる「物の置き場」ではなく、
行動と習慣を一体化するものだからです。
環境心理学の視点では、
人は「手間がかかる行動」を
継続することが難しいとされています。
つまり、
・遠い収納
・使いにくい高さ
・開閉が面倒な扉
これらはすべて、
収納物を入れたままになるか、
生活を乱す収納になる可能性が高くなります。
建築家が考える収納設計の本質
やまぐち建築設計室では、
収納をこう捉えています。
「収納とは、暮らしの動線そのもの」
収納は単独で考えるものではなく、
以下と一体で設計します。
・生活動線
・家事動線
・視線の抜け
・光と陰影
・インテリアとの調和
つまり、収納とは
空間全体の設計の一部であり、
暮らしや家事、生活の思考に対する
結果として現れるものです。
○関連blog
収納を整えると、暮らしの質が変わる。建築家が考える、動線と余白から始まる上質な住まいづくり
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail699.html
隠す収納を美しく成立させる設計の工夫。
隠す収納を「ただの扉」付の置場にしないために
設計にはいくつかの工夫があります。
・背面収納+引き戸で生活感を消す
キッチン背面や冷蔵庫を一体化し、
一枚の面として整えることで、
空間に静けさをつくる。
・天井までの扉で空間のノイズを消す
高さを揃えることで、視線の乱れを防ぎ、
ホテルライクな印象へ。
・扉デザインをインテリアに昇華する
木質・左官・突板など素材を厳選して、
“隠す”を“魅せる要素”へ変換する設計を施す。
見せる収納とのバランスが、
空間の質を決めるということ。
すべてを隠す必要はありません。
むしろ重要なのは、
隠す部分と見せる部分のバランス。
・日常的に使うもの → 見せる
・雑多になりやすいもの → 隠す
この整理によって、
空間は“自然に整う状態”になります。
玄関・洗面・クローゼットにおける応用
収納設計は、
各空間で意味が変わります。
・玄関
来客と家族の動線を分け、
「見せる収納」と「隠す収納」を使い分ける。
・洗面
生活感が出やすい空間こそ、
隠す収納で清潔感を維持。
・クローゼット
内部にさらに隠す収納を設け、
衣類以外のノイズを排除。
住まいは「整うことで、美しくなる」
美しい住まいとは、
高価な素材でつくられるもの
という訳ではありません。
整った暮らしの設計と思想が、
空間を美しくするのです。
そしてその整った空間は
人の思考をクリアに、
穏やかな方向に引き寄せていきます。
そしてその整い方は、
収納の考え方によっても変わります。
収納とは「人生の時間を整える設計」
収納とは、単なる「物をしまう場所」
ではありません。
・時間の使い方を整え
・思考のノイズを減らし
・心の余白を生む
暮らしの質そのものを変化させる空間要素。
やまぐち建築設計室では、
間取りの前に「暮らしの整え方」を考えます。
収納もまた、
その延長線上にある設計の要素です。
上質な暮らしを叶える住まいづくりとして
・和モダンの家を建てたい
・生活感を抑えた上質な空間をつくりたい
・本質的に暮らしやすい住まいを実現したい
そうお考えの方は、
暮しの思想に寄り添う収納の持つ意味も
見直してみてください。
やまぐち建築設計室では、
暮らしの価値観から設計をはじめています。
住まいづくりの本質から、
丁寧な提案を。
今回の投稿が
家づくりを考えている方にとって、
少しでもヒントになれば嬉しく思います。
○関連blog
暮らしが整うと、人生は静かに変わりはじめる —— 建築家が考える、余白と所作のある住まい
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail720.html
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