家づくりの不安は、悪いものではない
家づくりの相談に来られる方の多くが、
最初にこうおっしゃいます。
「楽しみなんですけど…不安もあって」
その表情には、
期待と不安が
半分ずつ混ざったような、
なんとも言えない揺れが見えます。
不安を抱えている自分を
どこか責めている人もいます。
「もっとワクワクしてなきゃいけないのに」
そう感じてしまう方も、少なくありません。
でも、私はいつも思います。
不安があることは、
悪いことではないんですよ、と。
それどころか、
家づくりの不安というのは、
たいていの場合、
「ちゃんと考えようとしている証拠」
でもあります。
家づくりは、
人生の中でも
そう何度も経験することのない出来事です。
住まいは「今のため」だけでなく、
これから先の暮らしとも
静かに結びついています。
だから、
これでいいのかな
本当に合っているかな
未来の自分はどう感じるだろう
そう考え始めると、
少し足が止まる。
それは当然のことなんだと思います。
むしろ危ういのは、
不安を感じないようにして、
勢いのまま走ってしまうこと。
考えなくていい理由を探したり、
「みんなそうしているから」と
自分を納得させてしまったり。
あとから振り返ったとき、
「あのとき、もう少し立ち止まって
考えてみてもよかったなあ」
そう感じてしまう方も、
実は少なくありません。
不安というのは、
「やめたほうがいいサイン」ではなくて、
「まだ整理されていないところがあるよ」
と、
心が教えてくれているサインのような気がします。
何を迷っているのか。
どこで引っかかっているのか。
それを一つずつ言葉にしていくと、
ただの“不安”だったものが、
だんだん “考える材料” に変わっていく。
そんな瞬間を
これまで何度も見てきました。
家づくりは、
不安がゼロになってから
始めるものではありません。
不安を抱えたままでも、
少しずつ前に進んでいくもの。
そしてその過程で、
不安は消えるのではなく、
「納得」に姿を変えていきます。
もし今、
あなたが少し不安を感じているのだとしたら。
それは、
間違っているからではなく、
遅れているからでもなく、
ただ、
“ちゃんと向き合おうとしているだけ”
かもしれません。
その不安を
急いで消そうとせずに、
そっと横に置きながら、
一緒に見つめていく。
そんな家づくりであれば、
きっと大丈夫だと思っています。