奈良でガレージハウスを建てる前に知る設計の考え方

奈良で
ビルトインガレージのある家を
建てる前に・・・・・。
奈良県で建築家が設計したビルトインガレージのある和モダン住宅の外観。グレーの塗り壁とガルバリウム鋼板屋根、木目天井を組み合わせたホテルライクな住まい。車動線と暮らしやすさを両立した注文住宅事例。
※ビルトインガレージ付き住宅の設計
デザイン提案外観事例。
後悔しない間取りと設計の考え方
雨の日の買い物帰り。
小さなお子さんを抱え、
両手に荷物を持ちながら
車から玄関まで移動する・・・。
そのわずかな距離が、
毎日の暮らしでは
意外と大きな
負担になります。
奈良県内で家づくりを
検討されている方から、
近年特にご相談が増えているのが
ビルトインガレージ
インナーガレージのある住まい。
やまぐち建築設計室の
設計事例にもある「写真」と
お客様の声をご覧になられて
お問合せをいただいています。
ただし一方で、懸念事項としては
暮しに合わなければ
「便利そうだから」
「かっこいいから」という
理由だけで取り入れてしまい、
住み始めてから
違和感や後悔を
感じるケースもあるかと思います。
今回のblogでは、
奈良県・奈良県近郊という
土地条件・気候
暮らし方を踏まえながら、
建築家の視点で
ビルトインガレージの
メリット・デメリット、
そして
暮しを考えたうえでの間取り
設計の考え方を
書いてみたいと思います。
奈良県で
ビルトインガレージが
注目される理由・・・・・。
奈良県で
ビルトインガレージの
相談が多い背景には、
この地域ならではの
暮らしの特性があります。
車が欠かせない生活圏
奈良県は
公共交通機関が
充実しているエリアもありますが、
日常生活では
車が主な移動手段
というご家庭が多い地域です。
・夫婦それぞれが車を所有
・仕事用+家族用で2台以上
・週末は車で買い物・レジャー
こうした暮らしでは、
車との距離感=暮らしの快適性
と言っても
過言ではありません。
冬の底冷え・雨の多さ。
奈良の冬は
「寒さの質」が特徴的です。
気温以上に底冷えを
感じやすく、
雨や霜の日も少なくありません。
ビルトインガレージは、
・雨や霜に濡れずに乗り降りできる
・冬の朝の負担を減らせる
といった点で、
奈良の気候と
相性が良い側面があります。
ビルトインガレージのメリット
奈良の暮らしで
実感しやすい価値。
雨・霜に濡れない動線が、
暮らしの質を高める
ビルトインガレージ
最大の魅力は、
天候に左右されない動線です。
・雨の日も傘いらず
・小さなお子さんや高齢のご家族も安心
・重い荷物の積み下ろしが楽
これは単なる「便利さ」ではなく、
毎日の小さなストレスを
確実に減らす設計と言えます。
防犯性が高まりやすい。
奈良県内の住宅地では、
・夜間は人通りが少ない
・道路から敷地が見えやすい
といったケースも多くあります。
ビルトインガレージは、
・車が外部から見えにくい
・侵入抑止効果が期待できる
など、防犯面でも
安心感につながります。
趣味・収納の「受け皿」になる
車だけでなく、
自転車
アウトドア用品
タイヤ・工具
ベビーカー
といった
室内に持ち込みたくない物の
居場所としても、
ガレージは非常に有効です。
知っておくべきデメリット
一方で、
ビルトインガレージには
設計を誤ると
表面化しやすい弱点があります。
建築コストが上がりやすい
ビルトインガレージは、
構造補強
シャッター
換気・排水
防火・断熱対策
などが必要となり、
一般的な住宅より
建築コストが上がる傾向にあります。
平屋計画・敷地条件によっては
居住空間が狭くなる
最近の傾向として多い
平屋住宅では、
ガレージが
建物床面積を大きく占めやすく、
・LDKが思ったより狭い
・採光が取りにくい
と感じるケースもあります。
におい・音・寒さの問題
実際に考えられるのは
・排気ガスやオイルのにおい
・シャッター音・エンジン音
・冬の冷気が室内に伝わる
といった体感的な不満です。
これらは
「ガレージの有無」ではなく、
設計の考え方次第で
防げる問題でもあります。
後悔しないための
設計・間取りのポイント
ガレージは「部屋」ではなく
“境界”として考える
ビルトインガレージは、
屋外と屋内をつなぐ
強い境界空間です。
おすすめなのは、
ガレージと居住空間の間に
ワンクッションを設けること。
玄関土間
シューズクローク
パントリー
ファミリークローク
これにより、
におい・音・温度の問題を
大きく軽減できます。
換気計画は最優先事項
完全個室とする場合の
ガレージには専用換気が不可欠です。
・室内側へ空気が流れない計画
・シャッターを閉めた状態でも
成立する換気
・湿気をためない仕組み
「後から換気扇を付ける」では
遅いケースが多く、
初期設計での検討が必須です。
寝室との位置関係に注意
奈良県の住宅街では、
早朝・深夜に車を使う
共働きで生活リズムが異なる
ご家庭も多く、
ガレージの隣に寝室を配置すると
音がストレスになる
可能性があります。
収納や水回りを挟むなど、
距離と緩衝帯を
意識した配置が重要です。
寸法は「今の車」ではなく
「暮らし」で決める
よくある失敗が、
車は入るけれど、
ドアが開けにくいというケース。
常時、車の運転をする設計者なら
直ぐに気づくことでも
ぺーパードライバー、
週末ドライバーの設計者の場合、
そもそも暮らしや車に
興味の無い設計者の場合は
寸法だけに気を取られて
実働や、車種の差や
運転者の個人差による「連動」を
意識出来ない為「無理な駐車場計画」
となる事もあります。
チャイルドシート
将来の車のサイズ
荷物の出し入れ
前面道路の状態と電柱の位置
一旦は、そういうところまで
含めて考えることで、
使いやすいガレージになります。
【Q&A】
奈良でビルトインガレージを
検討する方からよくある質問
Q1|
奈良県で
ビルトインガレージのある家は
向いていますか?
A:
奈良県は車利用が前提の暮らしが多く、
敷地条件が合えば
ビルトインガレージは
非常に相性の良い選択肢です。
ただし、
冬の底冷えや
住宅密集地での音対策など、
奈良特有の環境を踏まえた
設計が欠かせません。
Q2|
奈良の平屋でビルトインガレージを
つくると狭くなりませんか?
A:
平屋住宅では、
ガレージが占める
床面積の割合が大きくなるため、
LDKや居室が
圧迫されるケースもあります。
一方で奈良県は
比較的敷地に余裕がある場合も多く、
配置・動線・容積率の
考え方次第で、
快適さとガレージを
両立することは十分可能です。
Q3|
奈良でビルトインガレージの
建築費は高くなりますか?
A:
一般的な住宅と比べると、
構造・設備面で
コストは上がる傾向にあります。
ただし、奈良の土地条件では
設計によって合理的に
成立させられるケースも多く、
単純に「高い」と決めつける
必要はありません。
奈良県でビルトインガレージが
向く家・向かない家・・・・・。
向いているケース
車中心の生活
雨・霜の負担を減らしたい
防犯性を高めたい
趣味や収納を重視したい
別の選択肢が向くケース
LDKの広さ・明るさを最優先したい
深夜早朝の出入りが多い
ガレージでの作業をしない
この場合、
車寄せ+外部収納の方が
満足度が高いこともあります。
奈良での家づくりに、
ビルトインガレージという選択
ビルトインガレージは、
「あると便利」な設備である一方、
暮らし全体の質を
左右する
重要な設計要素となります。
家を建てる場合は、
土地条件
気候(底冷え・湿気)
生活リズム
近隣環境
を踏まえた
地域性に合った設計が
欠かせません。
やまぐち建築設計室では、
ビルトインガレージを
単なる車庫ではなく、
暮らしや趣味、
生活の豊かさを整えるための
生活空間として捉え、
一邸一邸、
丁寧に設計しています。
もし今、
あこがれもあるし
便利そうだけど、
本当に自分たちの暮らしに合うのか?
と少しでも迷われているなら、
それは設計の工夫で
生活の不便や苦痛を
解消できるサインかもしれません。
奈良での家づくりを、
後悔のない選択にするために。
このブログが、
家づくりを考えるうえでの
ひとつのヒントになれば幸いです。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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