なぜか落ち着かない家を整える ― 配色・レイアウト・家具から考える、くつろげる住まいのつくり方

なぜか落ち着かない家を整える
― 配色・レイアウト
家具から考える、くつろげる住まいの設計
「家にいるのに、なんだか疲れる」
「片付けても、落ち着かない」
そんな感覚を覚えたことはありませんか。
実はその違和感、
気持ちの問題ではなく
“空間のつくり方” が
原因になっていることが多いです。
今回は
インテリアと暮らしを
“もう一段深く”整える視点について
書いてみたいと思います。
落ち着かない家には、
理由があります。
今回のblogを
読んでくださっている方の中にも、
家具を新しくしたのに、くつろげない
おしゃれなはずなのに、なぜか疲れる
SNSで見たインテリアを真似しても、しっくりこない
そんな経験をお持ちの方が
いらっしゃると思います。
それは決して
センスの問題ではありません。
多くの場合、
✔ 配色
✔ レイアウト
✔ 家具のサイズ感
✔ 視線と動線
これらが
暮らしと噛み合っていない
だけなのです。
インテリアは
「見た目」より「過ごし方」
インテリアというと
「色」「デザイン」「おしゃれさ」
に目が向きがちですが、
実はそれ以上に大切なのが
▶どう過ごしているか
▶どこで気が抜けるか
という視点です。
たとえば、
・ソファに座ったとき、
目に入る景色は整っていますか?
・家の中を移動するとき、
無意識に避けている場所はありませんか?
・照明が明るすぎて、
夜も気が休まらない…ということは?
暮らしの中の
“ちいさな引っかかり”が
積み重なると、
家は知らないうちに
休めない場所 になってしまいます。
落ち着く部屋づくりで
最初に整えたいこと
① 床と視界を整える
床にモノが置かれていると、
人は無意識に“未完了感”を感じます。
まずは
✔ 通路
✔ ソファ周り
✔ テーブル周辺
この3か所だけでも
床を見せることを
意識してみてください。
それだけで、
部屋での呼吸が変わります。
② 配色を「減らす」
落ち着く部屋の共通点は
色が少ないこと。
おすすめは
ベージュ
グレージュ
淡いグレー
木の色
これらをベースにして、
クッションや小物で
ほんの少しだけ差し色を入れる。
「足す」のではなく
「揃える」という
意識がポイントです。
③ 家具の“大きさ”を見直す
意外と多いのが
家具が悪いのではなく、
大きさが合っていないケース。
・ソファが大きすぎて、部屋が窮屈
・テーブルが低すぎて、姿勢が崩れる
・ラグが小さくて、空間がバラバラに見える
家具は単体で見るのではなく
空間との関係性で選ぶと、
驚くほど落ち着きます。
明るい=くつろげる、ではありません
「部屋を明るくしたい」
というご相談はとても多いです。
もちろん暗すぎるのは
良くありませんが、
明るすぎる部屋も、
実は落ち着きません。
くつろげる部屋に必要なのは
☑ 明るさ
☑ 影
☑ グラデーション
天井照明ひとつだけでなく、
スタンドライトや
間接照明を一灯足すだけで、
夜の過ごしやすさは
大きく変わります。
住まいは、心を戻す場所
家は
「がんばる場所」ではなく
「戻る場所」 であってほしい。
何も考えなくていい
無理に整えなくていい
ただ、深呼吸できる
そんな時間が
自然に生まれる住まいは、
インテリアと暮らし方が
きちんと噛み合っています。
整えることで、暮らしは変わります
✔ モノを減らす
✔ 色を揃える
✔ 動線を楽にする
✔ 家具のサイズを見直す
特別なことをしなくても、
住まいは
ちゃんと落ち着く場所 になります。
何から手を付けたらいいかわからない
自分たちに合う整え方を知りたい
そんなときは、
暮らしを一緒に
整理するところから始めるのも
一つの方法です。
住まいは、人生を支える“器”。
少しずつ、
丁寧に整えていきたいですね。
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
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