片付けが苦手でも整う暮らしへ 、動線と収納から考える建築家の住まい空間の設計提案

片付けが苦手でも整う家
暮らしの動線から考える
建築家の整理収納設計。
ちゃんと片付けているつもりなのに、
なぜかいつも散らかってしまう。
収納は多いはずなのに、
使いにくい。
※暮らしの動線と収納を一体で設計したLDK。
キッチン横の柱形状タイル仕上げの部分、
実はタワー型家電収納です。
片付けやすさと視線の静けさを両立した、
整理収納設計のカタチです。
そんなお悩みを、
住まいのご相談の中で
よく耳にします。
でも実はそれ、
片付けが苦手だからでも、
性格だけの問題でもありません。
多くの場合、
原因は今の暮らし方と、
住まいのつくりが合っていない
ことにあります。
整理収納は
「頑張ること」ではなく
「環境づくり」であるということ。
やまぐち建築設計室では、
整理収納を
気合や努力で
何とかするものとは
考えていません。
本当に大切なのは、
片付けなくても自然と整う環境を、
住まいの設計でつくることです。
・しまう場所が遠い
・動線が分断されている
・仮置きの行き場がない
・視界に情報が多すぎる
こうした小さなストレスが積み重なると、
暮らしは少しずつ乱れていきます。
逆に言えば、
この“暮らしの摩擦”を
設計で減らすことができれば、
無理をしなくても
住まいは整っていくのです。
建築家が整理収納を考えると、
何が違うのか?
整理収納のご相談というと、
「収納の量を増やす」
「棚を足す」といった
対処を想像される方も
多いかもしれません。
しかし建築家の視点では、
まず最初に見るのは
収納の量ではありません。
・どこで物が出て
・どこで使われ
・どこに戻されるのか
つまり、人の動き=動線です。
たとえば今回のLDKでは、
キッチン・柱・造作収納
壁掛けテレビを
一体で計画しています。
これは単にデザインのためではなく、
・キッチン周りで増えがちな
物の行き先を明確にする
・リビングに物が
溜まらない流れをつくる
・視線が散らからない配置にする
といった、
暮らしを整えるための
設計でもあります。
「見せる」と「隠す」を、
空間で整理する
片付けが続かない理由のひとつに、
全部をきれいに
しなければならない
という思い込みがあります。
実際の暮らしでは、
・すぐ使うもの
・出しっぱなしになるもの
・多少ラフでいいもの
も必ず存在します。
だからこそ、
見せる収納と、
隠す収納を
最初から設計で分ける
ことが大切です。
今回の住まいでは、
造作収納と
壁掛けテレビをまとめることで、
生活感が出やすい要素を
ひとつの“落ち着いた面”に
集約しています。
結果として、
片付けた感覚がなくても、
空間が整って見える
そんなLDKが生まれています。
キッチン収納は
「暮らし方」がそのまま表れる場所
特にキッチンは、
住まいの中でも
整理収納の差が
出やすい場所です。
・食器はどれくらい持っているか
・ストックは多いか、最小限か
・家電は隠したいか、見せたいか
・ゴミはどこに溜まりやすいか
こうしたことを整理せずに
キッチン周辺を計画すると、
完成後に「使いにくい」
「散らかる」という
不満が生まれやすくなります。
やまぐち建築設計室では、
キッチン単体ではなく、
パントリー・収納・動線
リビングとの関係まで含めて、
暮らし全体として
整理収納を考えています。
整理収納が整うと、
暮らしの質が変わる
住まいが整うと、
不思議なことに、
心にも余白が生まれます。
・探し物が減る
・家事がスムーズになる
・「片付けなきゃ」というストレスが減る
・家にいる時間が少し心地よくなる
これは決して大げさな話ではありません。
収納は、暮らしの土台。
設計は、
その土台を
静かに支える存在です。
片付けが苦手な人こそ、
設計から見直してみてください
もし今、
・収納に悩んでいる
・片付けが続かない
・家が落ち着かない
と感じているなら、
それはあなたのせいではありません。
今の暮らしに合った「整え方」が、
まだ見つかっていない
だけかもしれません。
やまぐち建築設計室では、
新築やリノベーションだけでなく、
整理収納や暮らしの
ご相談からでもお受けしています。
住まいを整えることは、
暮らしを整えること。
設計と収納、
両方の視点から、
あなたに合った住まいのかたちを
考えてみては
いかがでしょうか?
このブログが、
家づくりや模様替えを考える方の
小さなヒントになれば幸いです。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------