二世帯住宅で住宅ローン控除を受ける条件とは?

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二世帯住宅を計画する際、必ず話題に上がるのが
「住宅ローン控除は使えるのか?」という疑問です。

親と子、二つの世帯が一つの建物に暮らすため、
「どちらも控除を受けられるのか」「一部だけなのか」
分かりにくく感じる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、二世帯住宅で住宅ローン控除を受けるための基本条件を、
できるだけシンプルに整理します。

1. 住宅ローン控除の大原則
まず押さえておきたいのが、住宅ローン控除の基本ルールです。

住宅ローン控除は「借入者本人が居住している住宅」が対象

つまり、

ローンを組んでいる人

実際にその住宅(またはその一部)に住んでいる人

この2つが一致していなければ、原則として控除は受けられません。

二世帯住宅では、この
「名義」と「居住実態」のズレが、控除を受けられなくなる最大の原因になります。

2. 二世帯住宅のタイプ別・控除の考え方
● 完全分離型(二つの玄関・水回り)
完全分離型の場合、
親世帯・子世帯それぞれが、自分の住戸部分に住宅ローンを組んでいれば、双方が住宅ローン控除を受けられる可能性があります。

ポイントは以下の通りです。

住戸として明確に分かれていること

それぞれが自分の住戸に居住していること

ローン名義・持分・居住実態が一致していること

これらがそろえば、二世帯住宅でも「実質2戸」として扱われるケースがあります。

● 部分共有型(玄関共有・水回り一部共有)
このタイプは判断がやや複雑です。

建物としては一戸扱いになるため、
ローンを組んでいる人が実際に居住している部分のみが控除対象になります。

親子それぞれがローンを組んでいても、

どの空間に誰が住んでいるのか

面積割合はどうなっているのか

を明確に説明できないと、控除が認められない場合があります。

● 完全同居型(すべて共有)
完全同居型の場合は、
原則として一戸の住宅として扱われます。

親子でペアローンや連帯債務を組んでいる場合でも、
住宅全体に対して控除を「持分割合などに応じて按分」する形になるのが一般的です。

3. よくある「控除が受けられない」ケース
実務で多いのが、次のようなケースです。

親名義でローンを組んだが、親は別の家に住んでいる

子が返済しているが、建物名義が親のまま

親の持分があるが、親は実際には居住していない

住戸の区分が曖昧で、税務署に説明できない

いずれも共通するのは、
**「名義・ローン・居住実態が一致していない」**という点です。

4. 控除の可否は「設計段階」でほぼ決まる
二世帯住宅の住宅ローン控除は、
家が完成してから考えるものではありません。

玄関を分けるか

住戸として区切れるか

将来、どちらかが住まなくなった場合はどうするか

こうした設計の判断が、そのまま税制に影響します。
だからこそ、設計とお金はセットで考えることが重要です。

5. 制度は変わる。必ず最新情報を確認する
最後に大切な注意点です。

住宅ローン控除の制度内容や条件は、税制改正により変更されることがあります。

そのため、
必ず最新の制度内容を確認し、税理士・FP・金融機関など専門家に相談することをおすすめします。

まとめ
二世帯住宅で住宅ローン控除を受けるためには、

ローン名義人が実際に居住していること

二世帯のタイプ(完全分離・共有)を正しく理解すること

名義・持分・居住実態を一致させること

設計段階から税制を意識すること

が重要です。

二世帯住宅は、暮らしだけでなく**「お金の設計」も含めて考える住まい**。
早めに整理しておくことで、後悔のない選択につながります。

二世帯住宅は、家族の距離を「近づける」だけでなく、
心地よい関係を「長く続ける」ための設計が大切です。

私たちは、10年以上二世帯住宅で暮らしてきた建築家として、
“実体験”に基づいたリアルな設計提案を行っています。

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