玄関の役割を広げて「過ごす場所」にする ― LDKと風景につながる、和モダン住宅の設計が暮らしを

玄関を「過ごす場所」として考えると、
暮らしはここまで変わります。
家づくりやリフォームを考え始めると、
多くの方がまず気になるのは、
LDKの広さやキッチン、
収納量ではないでしょうか。
もちろん、
それらはとても大切です。
けれど、意外と見落とされがちで、
暮らしの質に大きな
影響を与える場所があります。
それが「玄関」です。
玄関は、
靴を脱ぎ履きするだけの場所。
そう思われることが多いのですが、
実は一日の始まりと終わりに必ず通る、
とても重要な空間でもあります。
玄関は、外と内を切り替える
大切な場所
仕事や学校、買い物など、
私たちは毎日たくさんの
情報や刺激にさらされています。
玄関は、
その外の世界と、
家の中の暮らしを切り替える
心のクッションのような役割を持っています。
もし、玄関を
慌ただしく通り過ぎる場所ではなく、
少し立ち止まれる
「過ごす場所」として整えたとしたら。
帰宅した瞬間の気持ちや、
家の中で過ごす時間の質は、
驚くほど変わってきます。
玄関に「座れる場所」があるということ
玄関を過ごす場所として考えるうえで、
とても大切なのが「座れる場所」です。
靴を履くときに腰を下ろす。
買い物袋をいったん置く。
お子さんを待ちながら一息つく。
風景を眺めてゆったり一息つく。
こうした何気ない行動が、
玄関を「通過点」から
「居場所」へと変えてくれます。
特に、
ご高齢のご家族が
いらっしゃるご家庭や、
将来を見据えた住まいを
考える方にとって、
玄関に座れる場所があることは、
大きな安心につながります。
収納は「多さ」より「整い」が大切です
玄関は意外と、
物が集まりやすい場所です。
靴、傘、鍵、
お子さんの外遊び道具、
ペット用品など。
これらが見えているだけで、
玄関は雑然とした印象に
なってしまいます。
収納付きのベンチや、
収納スペース、
使う場所に合わせた収納計画を考えることで、
視界が整い、
気持ちも落ち着く玄関になります。
収納は、
「たくさんしまえること」よりも、
「使いやすく、見えないこと」が
大切だと考えています。
玄関とLDKをつなげるという
間取りの考え方
最近は、
玄関とLDKをゆるやかにつなげる
間取りの考え方も
受け入れられるようになりました。
完全に仕切るのではなく、
ガラス建具や視線の抜けを使って、
空間同士をやさしくつなぐ。
昔の縁側や、通り土間のように。
そうすることで、
玄関にも光が届き、
家全体が広く感じられるようになります。
奈良県のように、
自然や景色に恵まれた地域では、
玄関から庭や
外の風景が感じられる設計も、
とても相性が良いと
考えています。
風景を取り込む玄関は、
暮らしの記憶になります
玄関から見える景色は、
毎日の中で自然と目に入ります。
朝のやわらかな光。
雨の日の庭の様子。
夕暮れ時の陰影。
それらを日々眺めることで、
気持ちが整い、
暮らしにリズムが生まれます。
玄関に風景を取り込むという考え方は、
見た目の美しさだけでなく、
心地よく暮らすための工夫でもあります。
面積よりも「体験」を
大切にした間取りへ・・・・・。
家づくりというと、
「何帖の玄関」「何帖のLDK」といった
面積の話になりがちです。
けれど、
実際に暮らし始めてから大切になるのは、
その空間でどんな時間を過ごせるか、
という点です。
・立ち止まれるか
・落ち着けるか
・自然と片付くか
こうした体験の積み重ねが、
「この家にしてよかった」という
実感につながっていきます。
玄関を整えることも、
暮らし全体を整えること
玄関は、家の顔であり、
暮らしの入口です。
そこを少し丁寧に考えるだけで、
日常は静かに、
でも確実に変わっていきます。
新築を検討されている方も、
間取りに悩んでいる方も、
リフォームを考えている方も。
一度、
玄関を過ごす場所として考える
という視点で、
ご自身の住まいを
見直してみてはいかがでしょうか。
奈良で家づくりを考える方へ
やまぐち建築設計室では、
奈良県の風土や
暮らし方に寄り添いながら、
住まい全体を丁寧に設計しています。
玄関・間取り・収納・リフォームについて、
「何から相談すればいいかわからない」
という方も、
どうぞお気軽にご相談ください。
このブログが、
家づくりを考えるうえでの
ひとつのヒントになれば幸いです。
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
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