二世帯住宅に必要な収納量はどれくらい?
二世帯住宅を検討される方からよくいただく質問のひとつに、「収納はどれくらい必要ですか?」 というものがあります。
一世帯住宅でも収納不足はよくある悩みですが、二世帯住宅の場合は人数が多くなるぶん、モノの量もぐっと増えます。
親世帯と子世帯、それぞれの生活スタイルや所有物が違うため、単純に「世帯が2つだから収納も2倍」で済む話ではありません。
1. 収納不足が引き起こすストレス
収納が足りないと、廊下やリビングに物があふれ、暮らしが雑然とします。
これは単なる見た目の問題ではなく、二世帯で暮らすからこそ 「相手のモノが気になる」 という心理的な摩擦を生みやすくなります。
「親の荷物が共用スペースを占領している」
「子世帯のアウトドア用品が玄関にあふれている」
こうした不満が積み重なると、家族関係に影響することすらあります。
2. 二世帯住宅の収納量の目安
では、どれくらいの収納が必要なのでしょうか。
一般的に、一世帯住宅では 床面積の10〜15% を収納に充てるのが理想と言われます。
二世帯住宅の場合は、
親世帯:モノが多い傾向(衣類、思い出の品、季節家電など)
子世帯:日用品や子育て用品、アウトドア用品など変動が多い
これを踏まえると、床面積の15〜20%程度 を収納に充てると安心です。
例えば延床40坪の二世帯住宅なら、6〜8坪程度は収納を意識して確保したいところです。(あくまで目安なので、御家族ごとに違いますが)
3. 共用スペースと専用スペースの分け方
収納を考えるときに大切なのは、「共用」と「専用」をしっかり分けることです。
共用収納
掃除機、季節家電、掃除用品、来客用布団など → 家族みんなで使うモノを集約
親世帯専用収納
和服や思い出の品など処分しづらいモノ
子世帯専用収納
ベビーカー、スポーツ用品、子どもの作品など成長とともに変わるモノ
共用収納を廊下や階段下にまとめつつ、世帯ごとの収納をそれぞれの居住スペースに確保することで、不満を減らせます。
4. 収納の質を上げる工夫
量を増やすだけでなく、「使いやすさ」を高める工夫も欠かせません。
ウォークインクローゼットを世帯ごとに用意する
土間収納でアウトドア用品やベビーカーをすっきり隠す
パントリーを広めに取り、食品や日用品をストックできるようにする
小屋裏収納や床下収納を活用し、滅多に使わないものを収める
収納の配置が暮らしに合っていれば、必要以上に大きな面積を割かなくても快適に暮らせます。
5. 将来を見据えた収納計画
収納計画でもう一つ大切なのは、将来の変化に対応できることです。
親世帯が高齢になれば介護用品が増え、子世帯は子どもの成長とともに持ち物が変わります。
初めから「余白のある収納」を計画しておくと、数年後に慌てずに済みます。
まとめ
二世帯住宅に必要な収納量は、一般的な住宅よりも多めに確保しておくのが鉄則です。
目安は床面積の15〜20%
共用と専用を分けて収納計画を立てる
将来の変化に備えて余白を残す
収納は「モノを片づける場所」ではなく、家族関係を円滑にする仕組みでもあります。
設計段階で十分に検討し、快適な二世帯ライフをスタートさせましょう。