地震でも安心な家づくりのこと③

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昨日は、耐震の基準となる等級1について
いろいろとお話ししました。

基準っていいつつ、しっかり計算して、
根拠があるので、安心と感じる方もいるはず。

なので、等級1だからダメということでも
ない。
そんなお話しでした。

ただ。
仮に、木造2階の家をつくるとした場合。

現時点では、構造について計算をして
第三者のチェックを受けることって、
義務にはなっていません。

義務じゃないけど、計算してるんでしょう?
って思われたかもしれません。

実際のところどうなのか?
今日は、その辺りについてお話ししていきます。

耐震のことを、ネットで検索していくと、
耐震性能の高い構造ですよっていう
説明とか広告を見てみると。。

その会社では、構造計算をしていることを
伝えることで、他より安全なんですよって
アピールしています。

これって、何を言ってるのかというと。
現状の多くが、構造計算していないことを
前提にしてますよね。

そうでなければ、わざわざ言う必要ありませんから。

全ての工務店にヒアリングしたわけではないですが、
構造計算をしていない家が結構あるということです。

ちょっと極端な言い方してしまいましたが。。
厳密には、計算はしてても、簡易型かもしれません。
(この辺りは、明日以降でお話しします)

あれ?
計算という根拠なく、等級1って。

ほんとにそうなの??
って思いませんか???

だからといって、全く基準がないわけではなくて、
基礎のことや、骨組みを構成する金物のこととか、
地震に耐える壁の量とか。

ある程度の基準はあるのですが、実情に沿っている
とは言いにくい内容なんです。

例えば。
瓦屋根に、太陽光とか、太陽熱温水が載るとして、
その重さを反映した内容にできるかというと。。

今の簡易な基準では、それを踏まえた根拠には
なりえていないんですよね。

太陽熱温水器だと、200Lとかあるので、
屋根の上に、その重さが常にある状態ですから。

温水器が載っている状態と、載っていない状態では
1本の柱が負担する荷重って、違いますよね。

実際に、そういった状況に置かれた家を
構造計算してみると。。

等級1に満たないことってあると思いますよ。

なので。
等級が2とか3とかの議論も大事なんですが、
そもそも、実情に合わせて計算をして、
根拠のある家づくりにすることが、
まずもっと大事なのではないかと思います。

ちなみに。
弊社では、木造の家で平屋でも2階でも
大きくても小さくても。

全てについて、ビルとかと同じ計算方式で、
構造計算をしています。

おっと。
話が長くなったので、続きは明日へ。