外壁って何がいいの?㉒(人気の塗り壁2!)

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昨日から、いよいよ人気の塗り壁のお話し。

色柄のバリエーションが豊富ですし、
目地のないシームレスな仕上がりのなるのは、魅力ですよね。

今日は、その塗り壁を成立させている下地のお話し。

その辺はプロに任せますよ。
なんて声が聞こえてきそうです(笑)

もちろん、任せてもいいんですけど。。
何も知らずに任せて、「割れ」が気になったら、
少し残念な気持ちになりません?

表面のことだけでなく、なかみまで、
しっかりと理解できていると、安心ですから。

ちなみに。
「割れ」が発生したとして、その補修をすると、
おなじ色を使っても、補修した後はわかることが多いです。
(全面やり替えれば別ですが)

できるだけ、割れを抑制できる下地がいいですね。

塗り壁の下地として、よく使われているのは、
ラスという金属の下地になります。

凹凸のついた金属のメッシュに、モルタル等を
塗りこんでいく感じです。

なんとなくですが。
フラットな面だと、モルタルとかが、付着できないのは
イメージしていただけると思います。
ツルンって落ちてしまいますよね(笑)

そのラスというメッシュを壁に固定して、
その上からモルタル等を塗って仕上げていきます。

最近でも、ラス下地にモルタルを仕上げる。
そんなケースもあるのですが、仕上げるのに時間がかかるのと、
割れが発生しやすいって言われています。
そもそもですけど。
モルタルって、割れは発生しやすいですが、
構造の考え方で、違ってきたりします。

構造の耐力を筋交い中心にせず、
面材でしっかりと固めれば、改善はされていきます。

さらに。ラスを合板と組み合わせた面材があって、
それを採用すると、一石二鳥になると思います。
(ラスカットという製品です)

同じ種類でいえば、ラスモルⅡノンクラック工法っていう
下地があります。
昔からのラス下地に比べると、いろいろ改善されていて、
割れは、かなり低減できますよ。

とはいえ。
「ノンクラック」は工法名なので、実際にノンクラックでは
ありませんからご注意くださいね。

塗り壁の下地として、モルタルを塗るのは一つなのですが、
ここ数十年で、違う考え方の下地が出てきました。

モルタルの代わりに窯業系のサイディングを張る工法です。
その上に、塗り壁材を仕上げていきます。

下地のモルタルが割れるということがなくなるので、
割れ対策としては良さそうですよね。

ただし。サイディング同士のつなぎ目の処理が適切でないと、
その目地が割れてきてしまいます。。

実は、十年ほど前、知り合いの建築家が、つなぎ目の処理を
ほどほどにした結果、数年で割れてたのを思い出しました。。

ニチハという外壁メーカーが、その処理方法含めて
しっかり基準を出しているので、それにのっとって工事してもらうと
安心ですよね。

似たような工法で、STOなんて呼ばれるものもありますが、
基本的な考え方は、ニチハと同じです。

せっかくシームレスに仕上げた塗り壁。
できる限り割れを減らせるよう、下地にまでこだわって
つくり手と相談しながら進めていけるといいですよ。

さて。明日からは、塗り壁の仕上げのお話しです。