自然素材 再考

ユーザー ATS造家設計事務所 奥田 敦 の写真

また化学物質です。
人を幸せにするはずの研究、開発が、人を苦しめます。

大阪や京都の住民の体内には、他地域に比べて、すでに多量の有機フッ素化合物が蓄積されているそうです。
淀川支流の安威川では、世界最高レベルの水質汚染が確認されました。

フッ素樹脂は建築でも頻繁に使用されます。
汚れに強く、外装や屋根材の保護塗料として使われており、価格も高く、性能の良いものだというのが私たち建築家の一般的な認識です。

家庭用品では、鍋などが焦げ付かないテフロン加工や防水スプレーなどにフッ素樹脂が使われています。車の塗装もそうです。

テフロン加工した鍋を加熱すると、有害物質が出るだなんて今さら言われても・・・。

常温の建材から有機フッ素化合物は発散しないかもしれませんが、水質汚染がかなり進んでいるということは、製造過程で環境中に放出されている可能性があります。

化学物質の恩恵を受けて、汚れず耐久性の良いものを手に入れることができます。
でも、便利なもの、従来と比べてウンと良いものは、必ず何かと引き替えなのです。

人の顔にしわが刻まれるように、建物の外観が年月相応の表情になる、流れた時間の痕跡が残ることはそんなに悪いことでしょうか。
時間の重み、長さを読みとれる建築には優しさが感じられると思いますが、いかがでしょう。
それでも腐らず変わらず、化学物質満載の、いつも綺麗な新建材を選択されますか?

明日から、普通の鉄鍋で子供たちに料理をしてあげて下さい。
少し焦げ付くかもしれませんが、 鉄分もしっかりとれます。