エアコンはつけっぱなしが省エネ?

ユーザー アーキシップス京都 古前極 の写真

猛暑に向かう季節、気になるのが、
『エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安い』
と言う逆説的意見。
本当でしょうか?
電力消費が一番多いのは、設定温度になるまで。
室温34度の空間を28度に冷やす電力が、室温28度を28度のまま維持する電力より消費量が大きいのは明らかです。
この説に影響があるのが、建物の断熱気密性能です。
完璧な断熱気密が実現できれば、室温28度の空間を28度に保つエネルギーはゼロ。
断熱性能の極めて高い建物なら、エアコンつけっぱ説が有利です。

アーキシップス京都 エアコンはつけっぱなしが省エネ?

ところが現実の住宅では、屋根や窓から室内に高い外気温が侵入します。
壁や天井の断熱層が薄かったり脱落したり、湿度で熱橋と化したり、断熱性能の阻害要因は数多く存在します。
また、夏は東西面からの直達日射量が最大になるため、東西に大きな窓があれば、室温上昇は確実。

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一般的な住宅、特に古い木造住宅など断熱気密性能の低い建物は、人がいる短時間だけエアコンを使う間欠運転が、省エネ効果は高そう。
空調関連メーカーの実験でも、実証されています。

住宅の省エネはスペックや環境に左右されます。
暑さは70%以上が窓から侵入するので、風通しを保ちながらすだれやカーテン、家の内外で部屋に入る日射量を減らす工夫は、どの場合も有効です。

京都の建築家設計事務所 アーキシップス京都

このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、弊社の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。