パントリーのある間取り

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

パントリーとは、缶詰等の食料品や飲料品をストックしておくといった、いわゆる食品庫のような役割を持つスペースです。

近年、ご夫婦とも仕事をされている家庭が増え、食材を週末にまとめて購入してパントリーに収納したりするケースが多くなり、住まいへの要望としてパントリースペースを挙げる建て主が増加しています。
また、長く続いたコロナ禍により、食料や飲み物などを常にストックしておく習慣も影響しているかも知れません。

では、このパントリーですが、いったいどのくらいの広さが必要で、どこへ配置すればいいのでしょうか?

まず広さについてですが、これに関しては一概にどのくらいが適切かというのは、難しいです。
生活スタイルや食生活、家族構成などの違いによってその広さが異なるからです。
ある家庭では、お酒が好きで特にワインがお好きな場合、それらのワインストックが必要ですし、
ある家庭では、米糠で漬物を作っていてその糠床を置くスペースが必要だったり、またある家庭では、家族が多いため冷蔵庫とは別に小型冷凍庫を置きたいというように、住まい手によって希望するパントリーの広さと使い方が異なるので、要望を伺ったうえで適切な広さを決めるのが、良いでしょう。
とはいえ、大体1帖から2帖程度が妥当な広さでしょうか。

一方、パントリーの配置場所は、使い勝手や動線計画を考慮すると、やはりキッチンの近くが良いでしょう。
キッチンもI型、L型、ペニンシュラ型、アイランド型といったようにいくつかのタイプがあるので、そのキッチンのタイプにより適切な位置にパントリーをレイアウトすることになります。
スペース的に余裕があれば、通り抜けが出来て回遊動線のほうが便利かも知れません。

1階にキッチンがある場合は、シューズクロークを抜けた先にパントリーがあると、買ってきた多くの食材を持って玄関から靴を履いたままパントリーまで運べるといった利便性も兼ね備えた間取りも可能です。

いずれにしても間取り的には、パントリーは収納スペース(バックヤード)ですので、ダイニングやリビングといったスペースから見えない場所、キッチンの奥や横サイドが適切ではないでしょうか。