今回のお題 「建築士の選び方」

ユーザー 窪寺弘行・建築計画事務所 窪寺弘行 の写真

お題 「建築士の選び方」 2022.09.03掲載テーマ

 一般に住宅の建設を考える場合、ハウスメーカーの住宅展示場あるいはショールームを訪れることが多いと思われる。工務店等に知人がいる場合はそちらを訪れることもあり得るであろう。
住宅を建てようと思い、いきなり設計事務所を訪れる人はかなり少数と思われる。
 ではハウスメーカー、工務店に所属する建築士と設計事務所の建築士との相違点は何か。
ハウスメーカー、工務店の企業目的は建設工事の受注であり、設計はそのための手段である。
一方、設計事務所の企業目的は工事受注ではなく、設計(及び監理)そのものであるということであろう。またハウスメーカー、工務店に所属する建築士は建築主側で選べないことも大きな相違点である。
 よって、ハウスメーカー、工務店に設計を依頼する場合は、建築士に依頼するというよりも
その会社に依頼するという性格が強いように思われる。
 そこで、ここでは設計事務所に依頼する場合の建築士の選び方に絞って論じてみる。
住宅の設計をだれに頼むか。多くの建築主は建築士に知人はいないケースがほとんどであり、探そうと考えたら知人からの紹介、ネット検索、地元建築士会、建築家協会等への照会
雑誌等の掲載記事閲覧、FB等のSNS検索といったところが大半であろうと思う。
 いずれもそれなりに労力、時間がかかり根気強く探す必要がある。
公共建築のコンペのように、多数の建築家・建築士から案を募集し選択できたらと考える
建築主も多いのではないかと思われる。
 このブログを投稿する「建築家紹介センター」ではそれぞれの建築士の設計事例・プロフィール等が公開されているため、自分の好みに合う建築士を探すためには有効であろう。
2~3人依頼しご自分のイメージにあう建築士を選択することができる。
 しかしこれはあくまでも完成した写真等での判断であり、直接会って話したわけではない
ことが問題である。
 知人からの紹介であれば、設計、現場監理等の対応状況がわかるが、写真、図面判断だけの一方的な情報ではなかなか困難である。
 そこで、敷地が決まった段階で一度、現地に来てもらい打合せをすることが、最も有効であろう。敷地には様々な情報があり、その建築士がそれをどう読み解いたかを説明してもらい
納得がいけばまず間違いないと思われる。
写真、図面等による判断でなく、直接会って考え方を聞くことが重要であり信頼関係も生まれるものである。
 建築士、設計者を選ぶことはそれなりに大変であるが、時間をかけ十分に納得して、信頼関係をつくることが重要であり、建築士の考え方を理解して決定していただきたいと考えます。