鉄筋コンクリート造の耐用年数

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耐用年数については、鉄骨造のところでも書きましたので、そちらもご覧ください。財務省の減価償却の規定では鉄筋コンクリートの建物は47年とされています。これは税金の観点からの年数で、実際の耐用年数とは違います。ご承知のように鉄筋コンクリートというのは鉄筋の引っ張り力に抗する性能とコンクリートの圧縮力に抗するそれぞれの長所を利用した構造なのですが、鉄筋がコンクリートのアルカリ性によって錆から保護されているという一挙両得の構造でもあります。しかし、このコンクリートのアルカリ性は年月とともに薄れていき中性化します。そこでこの中性化する年数をおよそ60年と考えて、耐用年数を60年とする考え方もあります。また、どのような構造でも手入れを定期的に行いますと寿命は延びます。鉄筋コンクリートの建物もそのような観点から100年以上は持つということも言われていますが、昨今のようにデジタル化した社会では建物の弱電設備などが建物寿命よりその時代にとっては早期に古くなっているということも考えられます。このように耐用年数は様々な観点からみていくと、見方による耐用年数は変わっていくことだと思います。