細い土地の採光

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

細長い土地と言ってまず頭に思い浮かべるのは、おそらく間口が狭く奥行の長い短冊状の土地、いわゆる「うなぎの寝床」と呼ばれる土地ではないでしょうか?

逆に道路に接している部分が長く、奥行が短い土地もありますが、そういう土地はむしろ稀なケースでしょう。

そして、細長い土地の多くは、道路側を除いて三方は隣家が接近している状況がほとんどではないでしょうか。

このような土地に住宅を設計する場合、まず考えることは採光をどうするか。つまり、どのようにして室内に光を取り込んだらいいか、ということです。

間口が狭くて奥行が長い土地に住宅を設計する場合、内部スペースは道路に対して垂直に(奥行方向に)並ぶことになり、道路から離れて奥へ行けば行くほど外壁に設ける開口部(窓)のみで光を取り込むことは難しくなります。

こういう場合にどうやって採光を確保するかというと、上から光を取り込む手法が有効です。

具体的にいうと、吹き抜けと中庭・坪庭の二つです。

吹き抜けも中庭・坪庭も上部から採光を確保することに変わりはありませんが、吹き抜けが内部空間に対して、中庭・坪庭は外部空間という大きな違いがあります。

また、1階以外の上階(2階や3階)は、吹き抜けや中庭・坪庭といった空間を介さなくてもトップライト(天窓)を設けるだけで採光を確保することが可能です。