小スペースのアウトドアリビング

ユーザー 中川龍吾建築設計事務所 中川龍吾 の写真

新しいライフスタイルの模索が続く今日、住まいにおいては「ワークスペース」や「洗面場」の設け方がひとつの課題となっていますが、もうひとつ生活の場として主要なものとして「アウトドアリビング」というものがあります。

庭やベランダ、バルコニーを室内のリビングのように生活の場のひとつとして楽しむことができるようにするものです。

家の中とは少し違った日常を過ごせるという点が魅力で、食事やお茶をするテラスというだけでなく、お子さんが絵を描いたり、おやつを食べたり、お父さんがビールを飲んだり、くつろいだりといった、普段何気なく行っている行為をアウトドアリビングで行うことで非日常体験やリフレッシュの場とするものです。

アウトドアリビングを設けるのは、必ずしも広い敷地や大きな家だからこそ可能というものではありません。
私がコロナ以前に手がけた家に、庭に広いウッドデッキを設けた家、中庭形式の家といったアウトドアリビングとしてのスペースを設けた家がありますが、冒頭の写真は2階のダイニングの南面に内法2.0×2.3m、3帖ほどの小さなルーフテラスを設けた事例です。
(田端に建てた2世帯住宅の2階、子世帯の住まいです)

隣家側を壁として視線が通らないようにして、上部にパーゴラを設けたテラスです。
半屋外的な空間とすることで、落ち着きのあるアウトドアリビングとしたものです。

このお宅は「家族それぞれが趣味を楽しむことができる家」とすることがテーマでしたが、このコロナ禍にあっては、完成した時以上に活用されている家になっていると思います。