床暖房の費用

ユーザー TAM建築設計室 新井敏洋 の写真

床暖房は私どもが住む首都圏では、10月末から5月初め頃まで使用します。

毎日室内はひんやりとした寒さを感じずに快適に過ごせます。輻射暖房のためエアコン暖房のような暖気が逃げるということはなく、足元が特に温かいため、春先などは床暖房を使用しながら窓を開けて過ごす方も私どもの建主の中にはおられます。

床暖房を選ぶとき、住まい全体なのか、広範囲なのか局所なのか、また熱源は何が適当かによってそれにかかる費用を含めてご説明しています。

床暖房は一般的に、温水式床暖房と電気式面状発熱体床暖房に分けられます。

費用は、設置のイニシャルコスト、維持管理のランニングコストがあります。

新築大面積には面積当たりのイニシャルコストが小さくなる温水床暖房、新築小面積やリフォームでは個別に費用対効果を評価しますが、総じて電気式面状発熱体床暖房となります。

ランニングコストは温水床暖房では熱源機をガス、電気(ヒートポンプ)、石油にすることで費用は変わってきます。

電気式でもランニングコストが小さくなるPTC特質を利用したものなどあるため費用が変わってきます。

それぞれメリット・デメリットもありますので、ご家族の現在、将来の使い方などを考えて選んでください。

ランニングコストでも修繕・更新に関しては床暖房発熱部は建物の更新を40年としてもそれ以上の寿命がありますが、熱源機は20年、コントローラ等の電気部品は10年程のメーカーの寿命設定です。メーカーや施工者が長く対応できるかが重要となります。

電気、ガス契約自由化となっています。

私どもの住まいは自由化前からガス温水式床暖房の占める費用が大きいため、ガス契約の方が見積上も経済的でした。一定年額を支払うことによる維持管理サービス、割引プランも利用しています。

住まいの断熱性を向上させれば首都圏では床暖房のみで過ごすことが出来ます。

冷房はエアコンで猛暑日、熱帯夜の30日程度、暖房は床暖房で120日程度です。

床暖房の利用はエアコンと比較すると4倍になります。

快適性を考えたとき、費用対効果は十分に取れていることを実感しています。

住まい全体の床暖房を考えるとき、浴室、トイレなどは多くの場合個別なものとして考えます。住まいの土間全体を温めどこでもひんやりとしない柔らかな温かさ、シンプルな設備の床暖房もあります。外周の断熱性を高くすることを併用すれば上階も快適となります。