今回のお題 高低差のある土地の活用
今回のお題
「高低差のある土地の活用」
一口に高低差のある土地といっても、道路と宅地に高低差がある場合(宅地が道路より高い場合と宅地が道路より低い場合)、宅地内に高低差があり傾斜地になっている場合、その両方が当てはまる場合等が考えられる。
以下、二つのケースついて検討してみようと思う。
※ケース1. 「宅地が道路よりも高い場合」
造成地等によく見られ、最も多いケースと思われる。
この場合、道路からのプライバシー(通行者の視線、道路からの騒音)は確保し やすく、通風も良好な場合が多い。また方位にもよるが日照的な条件も有利なこ とが多いと思われる。しかし、クルマの駐車スペースを確保するために一部道路 レベルまで切り下げる等の工事が発生し、またアプローチ(道路から玄関に至る までの経路)に階段が必要となりバリアフリー上は不利なケースが多い。
私の設計例の中でもこのケース1.の例が多いが、それぞれ土地の特性を生かした 特徴のある個性的な住宅となっている。(以下設計事例)
Ex1. 「トリプルバルコニーのある家」 道路レベルは駐車場、道路との段 差により1階(事務所)のプライバシーを確保。
Ex2. 「メザニンのある完全2世帯の家」 道路レベルは駐車場、上部に中二階 を設けている。
Ex3. 「光 揺らぐ家」 半地下のビルトイン型駐車場としている。
※ケース2. 「宅地内に高低差がある傾斜地」
あえて造成工事はせずに自然な敷地形状を保全利用したケースに多く見ら れる。
土地の取得費用が抑えられ、造成工事分の費用を建築に回す等予算上のメ リットが考えられる。また眺望、通風、日照条件にに優れる土地が多く建 築計画上も有利なケースが多い。但し庭園計画、駐車場設置、アプには工 夫が必要となる。(以下設計事例)
Ex4. 「海の見える家」 傾斜地を積極的に生かし、眺望はさえぎる物 がない最高な条件である。
Ex5. 「諏訪湖の見える傾斜地に建つ家」(長野県二地域居住者向けコン パクト住宅提案)
工事費1,000万円、床面積10坪で建築可能な計画案である。傾斜 地という土地の特性を住宅内部空間にも生かした計画であり、土 地とともに暮らすことを楽しむ家である。
Ex-1 トリプルバルコニーのある家
EX-2 メザニンのある完全2世帯の家
Ex-3 光 揺らぐ家
EX-4 海の見える家
Ex-5 諏訪湖の見える傾斜地に建つ家