エコハウスを建てる

ユーザー 和楽舎設計工房 山﨑正浩 の写真

家づくりを考えるとき、「エコハウス」というキーワードを耳にする方も多いのではないでしょうか。 
これはエコロジーハウスの略称であり、地域の気候風土や生活スタイルに合わせて自然エネルギーを最大限に活用した住宅のこと。環境省も家づくりの指針にするよう推奨しています。 
 
では具体的に、どのような住宅が「エコハウス」なのでしょうか。
「浜松市エコハウスモデル住宅設計者選定プロポーザル(2009)」入賞時の作品を例にご紹介していきます。

断面計画です。 
高窓や吹き抜けを介した通風で夏の室内環境を快適に保ちます。 
また、屋根の軒の長さを適切に設定することで夏は室内への太陽光の入射を防ぎ、冬は1階床の蓄熱層で昼間の太陽光から蓄熱。夜間の冷え込みを防ぎます。

1階平面計画です。画面下、南側の「グリーンルーム」の床に先ほどの蓄熱層が。 
なお、南側の開口部はガラス窓・障子・ガラリ戸の三重構造となっており、夏の日射を防ぎ冬には断熱効果を発揮します。 
ガーデニングに使える信楽焼雨水タンクは、エコ・デザイン・耐久性をすべて満たしています。

2階にも四季を通じ自然エネルギーが活用できる障子を採用しています。 
「緑の屋根」パーゴラは屋外デッキに木漏れ日と日影の心地良さを提供し、子供室からは涼やかな借景にも。

屋根にはデザインを崩さぬよう太陽光発電システムを搭載。 
ちなみに全体の外観は、周辺の環境や風土に溶け込み、長く棲んでも飽きの来ないデザインです。 
機能性はもちろんですが、住宅を永く使うことがエコハウスの大前提と言えるかもしれません。
 
「エコハウス」の一部をご紹介しました。
自然エネルギーを活用した住まいは、地球環境に優しいだけでなく、光熱費等のランニングコストも削減してくれます。 
快適なエコハウスに、環境や建物を慈しみながら永く棲み続けること。 
それを普通と言える社会にすることも、私達建築士の仕事だと考えています。