レオパレスの施工不良について

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kameplan architectsの大出です。

今回のレオパレスの施工不良・・・・というより、意図的な手抜きですね。
現場のうっかりミスではなく、行きすぎたコストダウンを目的とした立派な「偽装」です。

外壁の断熱材は、火事の時に外壁面が熱せられても、
膨張や変形をしないものを選定せねばなりません。

外壁材や断熱材それぞれに、組み合わせで「大臣認定」というものをとっているか、
建築基準法の告示にあたるものを使う義務があります。
単純に断熱性能だけで選ぶのではなく、防火性も加味したものが必要なのです。

そこに、耐火性に劣る「発泡ウレタン」という断熱材を使用するとどうなるかというと、
二次発泡という、再度発砲して壁を内部に押す現象が生まれます。
押された内壁材の隙間から延焼する可能性があります。

また延焼まで至らなかったとしても、ウレタン自体が燃えることによる有毒ガス発生により、
煙に巻かれて亡くなる、という事例も多くあります。

なので、密集地にある建物の外壁に使う断熱材は、耐火性を持ったものでなくてはならないのです。

それを、断熱性能だけいいということで、燃えやすい現場発砲ウレタンに変えることは、
建築基準法に違反しているだけでなく、住んでいる人を危険にさらしていることになるのです。

また、断熱材の材料仕入れは、レオパレスぐらいの大手になると購買部門が一括して管理しているはずなので、現場担当者のうっかりミスで仕様を変えるなんてことはありえません。
組織ぐるみでないとできないことなのです。

それぐらい悪質な今回の事件は、施工不良という軽い話ではなく、
耐震偽装と同じぐらいの重大な「詐欺」なのです。

こういう業者が建築業界にいること自体、許されるものではありません。
全ての物件の回収が終わり次第、退出していただきたいものです。