プレカット工法

ユーザー 桑原建築設計室 桑原 廣 の写真

従来日本の木造建築は、大工さんが、自分の加工場で、墨付けにより、
木材を加工していました。しかし、墨付けの加工には、かなりの
経験年数が必要です。熟練の大工さんが、年々すくなくなり、コストや
費用が掛かるようになりました。このような状況を改善するために
プレカットが普及するようになりました。プレカットは、あらかじめ
加工図面を、コンピューターで作成して、切断や、加工をデーター化
して、全ての作業を機械化しています。そのため、工期の短縮、
費用が大幅に下がり、加工精度も良くなりました。20年前は、
継ぎ手がぐらぐらすることもありました。現在は木材の乾燥状態も
一定で、継ぎ手もしっかりしています。また、加工による廃材も大幅に
軽減するようにになりました。さらに、構造計算もすることもできる
ようになりました。材料も、集成材の使用も出来るようになり、
強度を一定にすることが出来るようになりました。しかし、
プレカットは、木材の質をなるべく均質になるようにしています。
伝統工法のように、木材の個性を生かす、工法ではありません。
民家の柱、梁をデザイン的に見せて、木の生命を感じることは
出来ません。木は、一本ごと全て違います。どちらの工法が
良いかは、求めるものの違いで、決められません。

上棟1階部分