賃貸併用住宅

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 賃貸併用住宅は自宅を造るときに、賃貸部分も併設して収益を上げ、借金の返済に充当しようというアイディアで比較的たくさん造られています。賃貸部分が住宅のこともあれば、店舗、あるいは事務所ということもあります。自宅部分をどのフロアに持ってくるかということは、オーナー様にとっては悩むところでしょう。最上階に自宅部分を造られるということが多いように思います。
 このような計画の場合には、自宅部分のプライバシーの確保、遮音性のことや最上階であれば屋根からの輻射熱への対処など快適性を保つための工夫が必要です。共同住宅、複合建築ということになりますので、火災に対する備え、地震に対する性能をどの程度考えるか、など防災上の観点からも慎重な検討が必要になります。
 賃貸部分を住宅にするのか、店舗や事務所にするのかなどについても市場調査などをして検討することが必要でしょう。住宅であっても単身者向けなのか家族向けなのかなど検討することはたくさんあります。現状のように空き家率が高い世相のときには住宅が適当かどうかも吟味する必要があります。住宅はメンテナンスが結構大変ですからね。
 写真は、RCの壁式構造で造った集合住宅です。5階建て(壁式ではこれが最大)で再上階がオーナー様の住宅、1階から4階までが家族向けの賃貸住宅でメゾネットタイプを含む様々な住宅が17戸入っています。ステンドグラスを使ったエントランスや多目的に使える広いロビー、光と風を取り込む中庭、大きいバルコニーなど、分譲マンションのようなというよりオーナー様の奥様が季節ごとにアレンジするロビーの飾りつけなどを考えると賃貸併用住宅ならではの素敵な集合住宅となっています。