採光の工夫

ユーザー 木の家プロデュース 明月社 山岸飛鳥 の写真

都会に住むためには、色んな事情で太陽光線にバリアーが立ちはだかります。
暗い家は嫌だけど、ここに窓はつくれない。つくっても、隣の壁に手が届く。
そんな事情をなんとかクリアーした事例を紹介します。

音と光の相克
 
この家は決して日当たりは悪くありません。正面の壁に大窓を開ければ、すっごく明るい家になるのです。
しかし、同時にとてもウルサい家になってしまいます。南側の前面道路が坂道で、エンジンを吹かす車の音がひどいのです。
そこで、主たる採光は西向きにして、南向きには高窓から少しだけ採光をとりました。

L字形の宿命
 
南側に折れ曲がったL字形の家の場合、中心部には採光がとりにくくなります。
こちらの家は古民家の再生ですが、食堂が真っ暗なのが悩みでした。
そこで、まず2階の床を取り払って吹抜にして、さらにL型の一部の2階部分をゴソッと減築しました。
食道の高窓からさんさんと光が入るようになりました。

L字形の宿命2
 
この事例は中庭から主採光をとっていますが、間をつなぐ廊下(玄関)があるので写真の左側が暗くなります。
そこで天窓をつけているのですが、でもこのうえには2階が乗っています。つまり、この窓は床です(?)
どうなっているのかというと・・

まさに床です。ちょうどカメラのある位置にルーフバルコニーに出る南向きのガラスドアがあるので、ここから光が1階に落ちるのです。
ちなみに、厚いポリカーボネートを使っているので、落ちるのことはありません。もちろん。
(でも、無意識で桟の上を歩いてしまいますが)

包囲された敷地
 
南と西と北には隣家や塀が迫っています。東側だけで1階の全ての採光をとらなければなりません。
しかも、その一番良い場所には、一番長くいるキッチンをおきたいというご希望です。
そこで、対面キッチンのバック棚の合間をぬって、とれる限りの窓をとっています。

採光不可能
 
ほぼ四方を隣家に囲まれた家の、さらに奥側の寝室です。どの壁に窓を開けても採光はできません。
屋根勾配を利用して、屋上から光をいれる高窓をとっています。

小さな玄関のオアシス
 
少しでもスペースを合理化して、この玄関はかなり小さめ。
なので、せめて光と緑をとりいれました。
(写真が夜なので、光が見えないのが残念)
これ、ガラスの向こうはこんな感じです

2階のバルコニーからも木が見える という仕掛けです。

困った時の採光は、天窓だけではありません。採光の工夫と空間の変化を同時に楽しんでみてはいかがでしょうか。