渡辺篤史の建もの探訪ーのびのび畳リビングの家(小嶋直、一級建築士事務所co-designstudio)

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感想: 

気がつけば、師走が目の前。
1日中、なぜか心に余裕のなかったかーさんは、
それは師走が来るせいにして、花でも愛でよう。
 
             ◇ ◇ ◇
 
今回の建ものは「のびのび畳リビングの家」。
http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/backnumber/#!/2015/42
こういうのが、これからの「日本らしい木の家」になるのかな?
 
             ◇ ◇ ◇
 
気持ちの良いリビング、それをとてもとても大切にしたお家だった。
家族が自然とひとところに集まる様子が目に浮かぶよう。
 
このリビングは、2階の南側にどっしりとある。
リニング、ダイニング、キッチン、小さなワークスペースが大きなひと部屋になっている。
天井は屋根の傾斜がそのまま見えて、一番高いところで4mという。
そして南側は大きな掃き出し窓になっていて、
建ものの幅いっぱいにつけられたバルコニーに出られる。
お向かいは広めの道路を挟んで民家だから、
番組で紹介されていた時のように、掃き出し窓を全開の状態にしては
あまりに過ごしにくいとは思うけれど、
上にも横にも広がりのある、大空間だ。
 
そして、リビングスペースが畳だということがまた、広々の要素だ。
この大きなひと部屋の一部、8畳分が畳になっている。
畳は縁のない半畳たたみなので、
和室というのでも、畳の部屋というのでもなく、
板の間に畳カーペットが敷いてある、という感覚だ。
しかしカーペットとはその安定感が全然が違う。
失礼かもしれないけれど、柔道場のようにも感じる。
この畳でゴロゴロくつろぐ、というのもさることながら、
元気な男の子が、思いっきり体を動かして毎日を過ごせそうだ。
この畳リビングは、のびのび元気に過ごして欲しいという、
ご夫婦から小さな男の子へのプレゼントのように思えた。
 
ガレージ脇に吊るされたブランコにも、
そんなたっぷりの愛情が溢れている。
 
              ◇ ◇ ◇
  
冷暖房はどうしているのかな?
とは、真っ先に気になったことだ。
というのも、広々LDKは階段をも含んでいるし、
屋根裏からリビングを見下ろす窓まであるし、
エアコンはちっとも効きそうになかったからだ。
 
番組内では紹介はなかったけれど、番組HPによると、
「そよ風」というソーラーシステムを導入していているようだ。
夏や冬にはこの設備を利用して、家全体を一定の温度に保つのだという。
設計を担当したコーデザインスタジオは、
エコ住宅の地域アドバイザー拠点として、地域の環境を踏まえた上で、
断熱、気密、換気などの基本性能をしっかり備え、
それぞれの快適を提案しているとのこと。
 
そういう目でみると、空気の心地よい流れを追いかけるように
ぐるり建ものの中をみることができる。
気密性とは家としての気密性。
私が「部屋が閉じていない=寒い?」、と思ってしまうのは
こういうシステムを体感した経験がないからだ。
 
この番組で紹介された住宅でも、
地域の工務店が開く内覧会で見た住宅でも、
家中を温める、冷やすというシステムを取り入れているものを
しばしば目にする。
それでもまだ、実際にその快適さを体験した経験がなく、
どんなものだろうかと興味深い。
設備としてどういうものがどれくらい普及しているのだろうか。
そして、今回の建ものをみると改めて、
設備と設計は一体のものなのだなあと思う。
 
効きの悪いエアコンに腹を立て、
ひどい結露にうんざりする毎日なので、
こういう快適なお家のこと、自分たちの家づくりのために
もっともっと知りたいし、なにより、体験してみたい。